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勇者番長ダイバンチョウ
第12話 恋するスケ番。乙女のハートは超合金!
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 そんなコートの中に、スケ番グループが雪崩れ込んでくる。どれも茜が普段から連れ添っているメンバー達だった。皆、顔をくしゃくしゃにして茜の復帰を喜んでいた。
「お前等、心配掛けたね。ったく、スケ番のあたぃが色恋沙汰なんざガラじゃねぇってのによぉ」
「姉御、お帰りなさいです! あたぃら、ずっと姉御を待ってましたよぉ」
「有り難うよ。お前達」
 かくして、輔番高校スケ番グループリーダー、木戸茜の復活であった。その復活祝いとして、メンバーが茜にそっと何かを差し出した。
 それは、茜が普段から着慣れている黒のセーラー服だった。
「やっぱ、姉御はこの服が一番似合いますよ」
「そうだね、あたぃとしても、こっちの方が着慣れてて良いからね」
 仲間からセーラー服を受け取り、それを身につける。其処には何時ものスケ番の威厳を持った茜が立っていた。乙女チックな顔は見られないが、スケ番時の彼女の顔もまた一段と輝いて見えた。
「お前達、此処で伸びてる奴らをふん縛っておきな。後でたっぷりと落とし前つけて貰うからねぇ」
「分かりました!」
「あたぃはちょいと後始末をつけてくる。それまでこいつらの処理は任せるよ。死なない程度でなら煮るなり焼くなり好きにして良い」
「お気をつけて!」
 仲間達の激励の言葉を背中に受け、茜は仲間達の元へと向う。背後で例の男と下っ端達の断末魔が聞こえたが気になどしない。今の茜にあるのは、自分がやってしまった不始末のけじめをつける事と、自分の心を踏み躙ったゴクアク組への報復であった。




     ***




【へっへっへっ、そろそろトドメを刺してやろうじゃねぇか!】
 レシーブ星人の目の前では既に蟲の息の状態となったバンチョウ達の姿があった。無防備な状態でレシーブ星人の剛球を一身に受けた為にダメージは相当な域に達していたのだ。
 必死に立ち上がろうとするが体が言う事を利かない。正に絶体絶命であった。
【待ちな、番長組にはまだあたぃが居る事を忘れてんじゃないよ!】
【何!?】
 声と共に上空からクレナイ番長が舞い降りる。バンチョウ達とレシーブ星人の間に割って入るように現れたクレナイ番長からは、何時も以上に激しい怒りのオーラが感じ取れた。
【茜、お前―――】
【すまなかったね番。この落とし前はあたぃ自身でつける】
【そうかい、それじゃ任せる……ぜ】
 そう言い残し、バンチョウは地に伏した。恐らく意識を手放したのだろう。そんなバンチョウ達を後ろに残し、レシーブ星人とクレナイ番長の一騎打ちが開始された。
【ふん、あのまま騙され続けてりゃ楽に死ねたのに、本当にてめぇは馬鹿な奴だぜ! そんなに俺様の手に掛かって死にたいか?】
【死ぬのはてめぇらの方だよ。ウダウダ言ってないでさっさと掛かって来な】
 
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