第12話 恋するスケ番。乙女のハートは超合金!
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が浮かんでいた。
「ふっ、番長組と言えども所詮は女。案外脆かったな」
男がそう言って周囲を見ると、部員達もまた邪悪な笑みを浮かべていた。そして、部員達の姿が変わって行く。彼等は皆ゴクアク星人であった。
何度か飛んでくる弾を避けて行く内にバンチョウ達は敵の弾にすっかり慣れていた。その為か、最初は全く近づけなかったのに何時しか敵の懐に入り乱打戦を行うまでに至っていたのだ。
【へっ、懐に入りゃぁこっちのもんだぜ!】
【お、おのれぇ!】
苦虫を噛み潰したような声を挙げる。どうやらこいつは中距離戦は強いようだが近距離戦には弱いようだ。そして、バンチョウ達にとって近距離は独壇場であった。
これは今回の勝負は案外楽勝だろう。そう思えた。
「其処までだ、番長組の諸君!」
【何!?】
突如、下から声が響いた。見下ろすと、其処は例のテニスコートだった。そして、其処には茜を脇に抱えている例の男性の姿と複数のゴクアク組の下っ端達の姿が見られた。
【茜!】
茜の瞳は曇っていた。恐らく意識がないのだろう。グッタリとした状態の茜を脇に抱えた男性のもう片方の手には鋭く尖った鋭利な刃物が握られていた。
そして、その刃物を茜の喉元に近づける。
「抵抗は止めて貰おうか。でないと、このコートを彼女の鮮血で染める事になるよ」
【て、てめぇ!】
「ふん、貴様等番長組の弱点など当にお見通しだ。貴様等の中で唯一空中戦を行えるのはこの女のみ。だから私が派遣された。この女を見も心も骨抜きにして戦えないようにすれば、残りの貴様等など空から攻撃すれば簡単に片付けられるからな」
初めからゴクアク組の仕組んだ罠だった。そして、その罠に茜はまんまと陥れられてしまったと言うのだ。敵の罠に嵌った事を悟った番は苦い顔をした。
だが、既に手遅れだった。今下手に動けば茜の命がない。
【く、くそぉ……】
「ふん、他愛もない。さっさと片付けろ! レシーブ星人」
【へっへっへっ、くたばれ番長組!】
すっかり優勢になったレシーブ星人の左腕から夥しい量の弾丸が放たれた。それに対し避ける事も捌く事も防ぐ事も出来ない三人は諸にそれを食らう体制となってしまった。
重さにして数トンはあるであろう巨大な鉄の弾を諸に食らい、地面に倒れ伏すバンチョウ達。その光景をさも嬉しそうにレシーブ星人は眺めていた。
【はっはっはっ、こうも呆気ないとはなぁ。噂程でもないわぁ!】
「全くだ。拍子抜けだなぁレシーブ星人! さて、俺はこの女を料理するとしようか」
手に持っていた刃物を舌で舐める仕草をした後、刃をそっと茜に近づける。どの道この女も殺す予定だ。だがただ殺したのでは面白くない。せめて楽しませてから殺すとするか。
突如、刃物の刃を掴まれた。それは茜の手だった。刃先を掴
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