第六章
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当に」
「闘牛も他のことも」
「目を見るといいんだな」
「貴方の目もそうね」
モンセラートはくすりと笑って夫のその目を見て言った。
「引退を考えている時は迷っていたけれど」
「弱い目だったんだな」
「ええ、今よりずっとね」
「そして今はか」
「強いわ、はっきりとしているわ」
それが彼の今の目だというのだ。
「そこが変わったわね」
「そうか、俺もか」
「私もそうよね」
「いつも通り明るいな」
ベルゴンツィはモンセラートのその目を見て微笑んで答えた。
「いい目だよ」
「そうなのね」
「本当に目なんだな」
あらためてだ、ベルゴンツィはこのことがわかった。
そしてだ、妻にもこのことを言うのだった。
「闘牛士の動きが出来なくなるまでな」
「闘牛士を続けるのね」
「ああ、相手の目を見てな」
そうしてだと言ってだった、彼はその決意を目にも見せるのだった。限界を感じ引退を考えた彼は見違えるまでに変わった、目を見て。
闘牛士 完
2013・10・1
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