第七章
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「そうなれた理由はね」
「お料理とか?」
「そう、それよ」
まさにだというのだ。
「お料理してそれに専念出来たでしょ」
「ええ、喧嘩したことなんてね」
それこそだというのだ、沙緒里も。
「忘れていたわ」
「そうでしょ、何かに熱中すれば」
それでだとだ、真琴は沙緒里に笑顔で話していく・。
「忘れられるでしょ」
「くよくよ考えていて悩んでいたけれど」
だから暗かった、しかしそれが。
「今はね」
「平気よね」
「そうなったわ」
まさにだというのだ。
「真琴ちゃんのお陰で」
「私のお陰じゃないけれど」
それでもだとだ、真琴は沙緒里に微笑んで話した。
「それでも沙緒里ちゃんが明るくなれてね」
「よかったのね」
「私にしてもね」
そうだというのだ。
「本当によかったわ」
「有り難う」
「お礼はいいわ。けれど落ち込んでいる時はね」
「その時はなのね」
「そう、今みたいにね」
「お料理をして」
「お裁縫をしてもいいのよ」
沙緒里が料理と共に好きで部活にも入っているそれもだというのだ。
「とにかくね」
「何かに熱中をして」
「気持ちを切り替えていってね」
「わかったわ」
「明るい方がいいから」
こうも言う真琴だった。
「沙緒里ちゃんの場合はね」
「そうなのね」
「そう、いいのよ」
沙緒里は明るい方がずっといいというのだ。
「だから出来る限りいつも明るくしていてね」
「私落ち込むと本当に暗いのよね」
沙緒里は自分で言った、自分のことを。
「一旦そうなると」
「そう、だからね」
「ここは気を切り替えていって」
「そうすると自分も楽になるわよ」
「私自身も」
「明るい時と暗い時どっちが楽?」
沙緒里個人としてはというのだ。
「一体」
「明るい時の方が」
楽だとだ、沙緒里も答える。
「やっぱりね」
「それじゃあね」
「いつも。出来るだけ明るくいられる様にしたら」
「楽よ。朝顔だってきっとね」
今度は沙緒里を花に例えた、夏のこの花に。
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