第五章
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「たっぷり作ったら後でもカレーに出来るから」
「カレーねえ」
「ええ。いいでしょ」
「確かにね。その野菜の組み合わせならカレーにも出来るわ」
「そうでしょ、だから」
沙緒里は自分のペースで真琴に話していく。
「スープもね。ただお野菜だけじゃ弱いし後でカレーにするのなら」
「お野菜の他にも入れるのね」
「ソーセージがいいわね」
今度の食材はこれだった。
「あれならカレーに入れてもいけるから」
「ああ、ソーセージカレーね」
「そうもなれるわよね」
「確かにね」
真琴は沙緒里の言葉に気付いた顔で頷いた。
「いいわね」
「そうでしょ、それじゃあ」
「ええ、じゃあね」
「ソーセージも買って。それでいきましょう」
「ソーセージならポテトサラダにも入れられるから」
ソーセージは使い道が多い、スープやカレーだけでなくサラダにも入れることが出来る。今度は真琴が言った。
「じゃあそれも買いましょう」
「うん。カレールーは」
「それは家にあるから」
大丈夫だというのだ、それは。
「安心してね」
「コンソメの素もよね」
「ええ、出来るわ」
真琴はこのことも話した。
「安心してね」
「ええ、それじゃあね」
二人で話してだ、そのうえでだった。
沙緒里は真琴に連れられてスーパーの中で食材を買ったが沙緒里がリードしていた。それは真琴の家に入って調理に入ってもだった。
サラダを作ることもハンバーグを作ることもだった、彼女が主だった。
スープもだ、沙緒里は学校にいた時とはうって変わってキッチンの中で右に左に動き包丁も素早く動かしていく。
その中でだ、真琴に言うのだ。
「真琴ちゃん、胡椒とね」
「お塩ね」
「それ出して」
こう言うのだった。
「それとだけれど」
「卵はもうといだから」
「わかったわ、じゃあそれもね」
「他にはどうするの?」
「御飯はどうなったの?」
「もうお米といでスイッチ入れたわ」
「そうしたわ」
そちらはもうしたというのだ。
「沙緒里ちゃんがサラダ作ってる間にね」
「そう、有り難う」
「お礼はいいわよ。ただ」
「ただって?」
「沙緒里ちゃん動きいいわね」
料理にはそれなりに自信のある真琴以上にだ、彼女はそのことに驚いていてそれで沙緒里に言うのだ。
「随分と」
「そうかしら」
「ええ、いい感じよ」
「何か自然に」
沙緒里は包丁で人参を切りながら真琴に応える。その包丁捌きも見事でハンバーグ、サラダ、スープそれぞれに入れる大きさに切っていく。
そうしつつだ、真琴に言うのだ。
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