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誰もいなくなった
第二章
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「いいことだ、ならず者達はな」
「はい、どんどんですね」
「死刑にして、ですね」
「街から消えてもらいましょう」
「是非」
 役人達も応える、そしてだった。
 市長は自警団が捕まえたならず者達に次々と死刑の判決を下す様になった。それでならず者達はいなくなった。
 だがここでだ、次第に。
 自警団特に出来はおかしな行動を取り出した。彼等についての街の言葉を聞いたのだ。
 おおむね彼等には好意的だった、だがある者達は言うのだった。
「危険だよな」
「ああ、自警団は法律に縛られていないからな」
「連中が危険だってみなしたら終わりだろ」
「どんな奴も捕まるぞ」
「それで死刑になったらどうするんだ」
「自警団は危険だ」124
「暴走しないうちに何とかしないとな」
 こうした意見も出て来た、それでだった。
 出来は同志達にだ、こう言うのだった。
「俺達に不満を持っている連中がいるな」
「ああ、いるな」
「この街にな」
「俺達は正しいことをしているのにな」
 こう確信している言葉だった。
「それに不満を持っているのか」
「連中はわかっていないんだ」
「そうだ、俺達の何処が間違っている」
「俺達はこの街の為に動いてやっているんだぞ」
 既にだ、こうした考えになっていたのだ。
 それでだ、彼等は言うのだった。
「そんな奴等も許せるか」
「そうした奴等が街を乱すからな」
「そうした連中も片っ端から捕まえていくか」
「ああ、それで市長に突き出して死刑だ」
「そうしてやるぞ」
 実際に彼等はそうした彼等に不満を持っていたり危険視しだした市民達に言いがかりをつけてそのうえでその粗探しをして無理にでも犯罪者にした、そのうえで市長に突き出して。
 市長はそうした市民達も死刑にした、だがこれには。
 心ある市民や役人達が驚いてだ、市長に言った。
「市長、彼等に罪はありません」
「彼等が何をしたのですか」
「あの、成都さん達は」
 街の宣伝に長い間貢献してきた市民も彼等を批判していた、自警団という存在自体をそう思っていたので口実を設けられて市長に突き出されて死刑にされた。自警団の面々がこの死刑に喝采を叫んだことは言うまでもない。
「この街の発展と宣伝に貢献してきました」
「何故その成都氏を処刑されたのですか?」
「あの方が一体何を」
「何をしたのですか」
「死刑の訳?言える筈がないだろ」
 だが市長は彼等にこう言うのだった、それも平然と。
「そんなことは」
「言えないとな」
「確かにそれはこの街の法律ですが」
「では企業家麦沢さんもですか」
「あの人も」
「そうだよ、あの人は危ない経営方針だったせいもあるかな」
 この企業家についてはこう言われはした。
「とにかく街の治安上問題がある
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