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専守防衛
第二章
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気にする彼女ではないから余計に難しい。
「散々悪いことしたでしょ!」
「だからその証拠はあるのか!」
「証拠なら幾らでもあるでしょ!」
「極東軍事裁判の証言は全部否定されてるでしょ」
 ここで一人言って来た、台湾人の近美玲だ。白髪の老婆だがその顔立ちも姿勢も実に凛としたものである。
「それも慰安婦も」
「慰安婦はあったのよ!」
 まだ言う交田だった、まるで獣の様な顔で。
「クマナスミ報告で!朝墓新聞の一面に載ってたでしょ!」
「あの一面嘘だろ!」
 津上はまた怒った。
「あれはあの新聞の事実を捻じ曲げた虚報なんだよ!」
「虚報ですって!?」
「ああ、そうだよ!」
 こう主張するのだ。
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