2・川神院(朝)
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
元の家である八坂家は八坂流合気術という、柔術と合気術が混ざったようなある種独特の流派を使う。
その基本は纏絲を咥えた化勁による『弾き』、純粋な体術である『捌き』、相手の重心を崩しこちらの利用しやすい体制に持っていく『崩し』の3種、そのほか打撃や脚撃、投げなど色々な技はあるが基本は最初の3つであり、その3つが重要視されている。
そのほかに『凪』と呼ばれる技…これ自体は所謂制空圏と呼ばれるある程度の武術家なら持っている自分自身の間合いの事だが、八坂流はこの制空圏の範囲に入ったものに対して反応速度をかなり重視している、制空圏の範囲を超えた攻撃をほぼ無意識で『弾き』『裁き』『崩す』、どちらかと言えばカウンター系の武術といえるだろう。
とはいえ、それだけではない奥義である『風貫き』、絶招といわれる『無風』、『木霊』…詳細は此処では伏せるが…などカウンターに頼らない戦い方も当然しっかりと修行している。
ちなみに何故に4歳で川神院に預けられたかなのだが、先ほども言った様に両親は世界各地を飛び回り、強者を探している…何時までも新婚気分でいちゃこらもしているが。
祖父に関しては一線を退いている為偶の稽古以外はあわないし、祖父曰く
「色々な相手と戦った方が同じ相手と何度も組み手やら仕合いするよりよっぽど有意義だ」
との事だ、そして川神院には弟子も含めて色々な相手がいる、八坂流では基礎の体力づくりも当然大事だが、それ以上に組み手や仕合いを重視している。
組み手や仕合いを多くすることで必要な筋肉だけがしっかり付くからだ、それゆえ祖父の下ではなく川神院に預けられ修行させてもらっているのだ。
「さて…そろそろ飲むか」
「うぇ、あれ…又飲むの?」
「これも修行の一環だからな、仕方ないんだ」
どよんとした顔をする二人、出る前に水桶で冷やしておいたペットボトル…中身は緑のドロッとした液体…を手に取り、一気に飲み干す。
「まじぃ……本気でまじぃ」
「それだけは真似できないわ、アタシも」
ちなみにこれ、数種類の漢方薬などを溶かした物で所謂内功…内蔵など身体内部…を整え鍛える為のものだ。
「…うっぷ、さてどうするワン子?」
「アタシはもう一回隣の県まで走ってくるわ、元は?」
「そろそろルー師範代か百代姉が起きてくるだろうから組み手してもらう予定だな」
「そっか、それじゃ後でね!」
「あいよ、気をつけてな」
そういって走り出す一子を見送り、暫く型を繰り返す元。
暫く型などを行っていると、修行僧達が起きてくる、その中にはルー師範代…川神院の師範代であり川神学園の体育教師…の姿も見える。
「おはようございます師範代」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ