第四章
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ない」
「その下にいる工藤を討つことにもな」
「しかも工藤は源氏に仕えている以上に親の敵でもある」
それでだというのだ。
「討たぬ訳にはいかぬな」
「その通りだ」
「ではな」
「武運を祈る」
意休は曾我兄弟に確かな声で答えた。
「ではな」
「うむ、それではな」
「また機会があれば会おう」
曾我兄弟も返した、そうして。
意休は彼等から背を向けてその場を去った、後には曾我兄弟が残り。
十郎は助六、五郎にこう言った。
「ではな」
「兄者、行こうぞ」
助六も兄の言葉に頷きそうしてだった。
二人は江戸を去った、それから二人は小田原では敵討ちは適わなかったが頼朝が開いた富士の裾野の巻狩の時に工藤を討った、その時に曾我兄弟も死んだという。
意休はそのことを江戸で聞いてこう言った。
「これでよし」
そのうえで彼は鎌倉に赴いたという、しかし彼は頼朝を討てず逆に討たれたという。曾我兄弟の話の裏にはこうした話もあるが世に知られていないとのことでここに書き残した。多くの人がこの話を知ってくれれば幸いである。
助六 完
2013・10・29
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