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SAO─戦士達の物語
MR編
百三十一話 始まりは森の中で
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た時、再びアスナが大泣きしたりした事は、当事者だけの秘密になっている。

《家》と言うのは、人がほかのどの場所よりも安らぎを得られ、心から休める場所である。と言うのは、何処の本に書いてあった文句だっただろうか。
あるいはアスナにとっては、このログハウスこそ、その場所なのかもしれない。と、リョウは感じていた。

「おーっす」
家の中に入り、玄関を通り抜けると、すぐにリビングに成っている。
手に入れてからしょっちゅうアスナやサチの料理と、この温かみのある空間を目当てに玄関をくぐる来客が絶えないこの家のリビングは、本日は珍しい客人は無く、何時も通りのメンバーで埋まっていた。

「あ、リョウさん」
「よっ、シリカ、宿題終わったか?」
初めにリョウに声をかけたシリカに、リョウはニヤリと笑って言う。と、途端にシリカは焦ったように答えた。

「う……い、今進めてる最中です!」
「夏にそう言ってギリギリだったんだから、今度は頑張れよ〜。ま、既にギリだけどな」
「うぅ〜……」
ニヤニヤと笑って言うリョウに返答出来ずにシリカが俯くと、隣に居たリズが苦笑しながら言った。

「あんまり後輩を苛めてると嫌われるわよ〜?」
「オイオイ、有りがたい注意を苛めてるとは心外だぜ。ってかお前はもう終わってんのな」
「アタシは先にやっつける派だからね」
「その辺以外なんだよなぁ」
言いながら、どう言う意味よと聞いてくるリズにそのままの意味だ。と返してリョウはウィンドウで装備を浴衣に切り替える。
と、リョウが入って来ると同時に立ち上がってポットを操作していたサチが、微笑みながら彼に聞いた。

「リョウは、お茶、どうする?」
「あぁ。任せる。基本外れねぇしな。お前の茶」
「ふふっ。はい」
少し嬉しそうに言って、サチは再び茶を入れる。
実を言うとこの時視界の外でこの部屋に居る女子全員が「完全に夫婦だよね(よね)(ですよね)……」と思っていたりしたのだがそれは特に今言う事でもあるまい。

「ぐぅ……リョウ兄ちゃん……ちょっと、来て……」
「んー?何の教科だ?」
「英語」
「またか」
唸るような言葉と共に、リーファがリョウを呼び、リョウは横から其れを覗きこむ。どうやら英語の長文に苦戦しているようだ。
コツさえ分かればこれも割とスイスイと解けるのだが……

「そう言えば、リョウは終わったんだっけ?宿題」
「まぁな。生徒会の役員が宿題忘れとか洒落にならねーって風巻がうるさくてよ……そっこーで終わらした」
ふんっ。と憮然とした態度で言うリョウに苦笑しているのはアスナである。
ちなみに彼女は今、空中に幾つものウィンドウを展開して資料を見ながらレポートを進めている最中のようだ。

「あ、あー。うん……うん……」
「まぁ、後は流れ
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