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SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
序章  はじまりの街にて
4.闇夜の初実戦
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で説明してくれる。
 基本技だけあって、そう難しい技でもなかった。
 俺はソードスキルとやらを試すべく、槍の切先をこちらに背を向けているイノシシへ向けた。
 俺はイノシシに向かって走り出し、技をイメージしながら、槍を持ちながら引き絞った両腕を前に突き出すような初動を始める。
 攻撃を放とうとした俺に気付いたイノシシが、ぷぎっと一鳴きしてこちらを向く。

「――っ!?」

 突如俺の体が勝手に加速して動き、明るい緑色の光を振りまきながら槍の切先が、振り向いたイノシシの首の後ろ辺りへと吸い込まれるように突き出された。
 ビシイィィとガラスを叩いたような音とともに槍が直撃し、イノシシはその反動で吹き飛ばされ、何度か横向きに回転した後、不自然な斜め向きままの状態で硬直し、内側から爆発したかのように、輝く細かい破片をばら撒きながら消えていった。
 ……確かに一撃で倒せた。確かに威力は段違いだった。
 しかし――

「………………使い、難い」

 いきなり加速しだしたように勝手に動く自分の体。普通、筋肉に力を入れた箇所の関節は動かないのに、力を入れているのに動いている――動かされている違和感。
 自分の意思で動く体に重なるように、何者かの意思で力を加えられているような……そんな感覚。
 凄く違和感が付きまとう。かなり違和感が付きまとう。やはり違和感が付きまとう。
 確かに今の《突き》は、速度、威力、そして形、ともに――自分で言うのもなんだが――素晴らしかった。
 だがその突きは、普通ならこの体では出来ないはずのもの。このLv1の身体能力では絶対に出来ないはずのものだと俺は確信している。
 しかし出来てしまった。それがソードスキルなんだと言われればそれまでだが、俺としてはそこがまた物凄く違和感をもたらして……正直言えば使い辛い。使い難い。
 そして、その動きの後にある数コンマの強制技後硬直時間。それが違和感を更に上乗せする。
 技というものは繋いでナンボ、と祖父も言っていた。
 技自体を工夫して技後硬直を無くし、次々に技を繰り出すよう指導を受けてきた俺にとって、その違和感は相当なものだ。
 他のプレイヤーはこの違和感に何とも思わないのだろうか。

 ――《ソードスキル》。

 威力は高い。そして技の速さもある。勝手に相手に合わせて向かっていく感覚もあったので、恐らく命中補正のようなものも付いているのだろう。
 だが、俺には――。

「…………やはり、使い辛い」

 使い続ければ慣れるのだろうか。
 だが、この如何ともしがたい感覚は、あまり何度も感じたくないというのが本音だ。
 結局俺は、今の所は絶対にソードスキルが必要であるということもないと考え、しばらくは通常攻撃のみで戦うことにした。
 そうと決め
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