SAO編
序章 はじまりの街にて
4.闇夜の初実戦
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うは相手が倒れるまで攻撃を続ければいいと、それだけだ。
俺は二匹目の獲物を探して歩き出した。
歩きながらふと思う。ステータスウィンドウを出してスキル表を見る。この世界での自分の体――《アバター》では、以前のように周囲の気配を察することは出来ないようだ。恐らく、この仮想世界では、現実世界で出来たことを当たり前に思ってはいけないのだ。
それは、逆にも言えるのことだろう。現実世界で出来なかった事もこの世界なら出来る、と。
しかしこのままじゃ、この先不意打ちを受ける可能性が高い。
俺は先ほどスルーした一つのスキルを見た。
《索敵》スキル。
アクティブオブジェクトを認識できる範囲を、熟練度に比例して広げてくれるスキルだという。
残り一つとなったスキルスロットに、それを入れた。
「――!」
入れた瞬間、またもや視界の隅に赤いカーソルが現れる。
索敵スキルのお陰ではなく、向こうからこっちに移動してきたようだ。
フレンジー・ボア。
先ほどのよりも、一回りだけ大きいイノシシが見えた。
無論、こちらをまだ敵として認識してはいない。
俺は開いていたスキルスロットの画面の《両手用長槍》のスキルを見た。
――ソードスキル無しにSAOは語れないんだよ! そりゃ硬直時間みたいなデメリットはあるよ? で・も、普通の攻撃とは一撃の威力が段違いなんだ! その差約三、四倍! 急所なら約五、六倍は違うんだよ!? もうソードスキル様さま〜って感じだよね!
グッと親指を突きあげた友の姿と言葉を思い出す。
「……ソードスキル、か」
俺はイノシシに気付かれないように小さい声で呟く。
急所ならそのダメージは約五、六倍。雑魚ならほぼ一撃死だろう。かなりの効率のよさだ。
俺は、現在自分の使えるソードスキル一覧を確認する。
《両手用長槍》スキルをスロットに入れたことで増えたソードスキルの一つ。
両手用長槍基本技《スラスト》。
スキル名のすぐ横にある【Sample】のボタンに触れると、もう一つウィンドウが現れた。
そのウィンドウには、真っ白な部屋で槍を構えている真っ黒な人が映っている。
そして、画面の端には再生、停止、スロー再生、視点変更などのボタン。
これはソードスキルの見本を見る事が出来る画面だ。
これを見て技のイメージを頭に叩き込み、実際に模倣出来るように練習する。
一応練習場所として、結構な広さの訓練所が《はじまりの街》の各所にあるらしい。
俺は再生ボタンを押して、《スラスト》の見本の動きを見る。
――ふむ。この程度なら練習は必要なさそうだな。
見本動画は、技の動きだけではなく、初動の形とシステムアシストの開始を矢印と文字
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