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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-13
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首を横に振ることで蓮に伝える。
蓮は、寝起きで若干辛そうにしている楯無を落ち着かせるために、お湯を沸かして即席ではあるが、ミルクココアを作って楯無に渡してやる。
「……ありがと」
そう言って熱いミルクココアを息を吹きかけて冷ましながらちびちびと飲んでいく。それから少しの間は沈黙が場を支配する。楯無は、寝起きでぼやっとする頭を回転させながら少しずつミルクココアを飲んでいく。蓮は、特に何をするわけでもなく窓越しに茜色に染まった空を見ていたが、何を思いついたのか、カバンを取って中身を出し始めている。
それからさらに数分が経った頃。ようやく頭が覚めて回転し始めた楯無が、蓮にあることを問いかける。そして、その質問はいつもの楯無ならば絶対に口にしないことで。蓮の回答次第では、二人の関係性までもが壊れかねない。そんな質問だった。
「ねえ、蓮。蓮ってさ、亡国機業って知ってる?」
その瞬間、時が止まったような感じに陥った蓮。表面上は取り繕っているが、内心は混乱している。だが、まだ楯無は蓮が亡国機業に所属、尚且つ最高幹部であることを知らないようだった。まだ誤魔化しがきく範囲である。
「……いや、知らないな。何かの宗教団体か?」
「ううん、知らないならいいの。忘れて頂戴」
――――更識家に情報を掴まれ始めたか。そろそろ離脱も視野に入れ始めないといけないな。刀奈には悪いが……一度だけダメもとで勧誘してみて退散。期限は長くて……夏休み明け、か。
◯
翌日、一年一組では転校生が来るとの噂で持ちきりだった。どんな人かは正直蓮にはどうでもよかったが、無関係ではいられなかった。
一人は、ドイツ軍の中佐。こちらは見知った顔……というよりは、お互いに知らないことはほとんどないぐらいの仲だ。もう一人が問題なのだ。
考え事をしているうちに山田先生が教室に入ってきて、転校生がいることを明かした。そして合図する。
扉からは入ってきたのは、同じぐらいの身長で髪は金と蓮と同じ銀。長さは、銀髪の方が長い。余談になるが、胸の大きさでいえば銀髪だ。しかしそれは当たり前なのかもしれない。なぜなら――――
「初めまして、シャルル・デュノアです。よろしくお願いします」
――――男だったのだから。
そしてもう一人。蓮にとってこの四面楚歌状態の学園で味方である人物。気兼ねなく話せる人としてもいいのかもしれない。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
ラウラは、自分の物凄く簡単な自己紹介を終えて一夏の前に立つと一言二言会話を交わした後に、手の甲で振り抜きざまに一夏の頬を思いっきり叩いた。何が起こったか分からないといった表情をしている一夏は、状況を把握するとラウラに掴み掛ろう
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