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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-13
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らんだが、その程度だ。――――確かに真上にいた。蓮は目を逸らすことはなく千冬を見続ける。千冬はそれに応じるように目を合わせる。と同時に、内心舌を巻いていた。正直、蓮を過小評価していた。
束から事前に連絡があり、実技を受けさせてから入学と考えていたが、蓮の体調不良でできなかった。始めて実力を見たとき、ここまで圧倒的に代表候補生を倒せるのかと思うほど。無論、千冬なら容易い。あの称号は嫌いではあるが、千冬を一言で表すには相応しい。だが、あの機動は片手間にできるほど容易ではない。


もう少し実力を見て確かめなければ。そう思う千冬。


「地上への急接近と急停止をやってみろ。目標は5cmだ」


まずはセシリア。流石は代表候補生といえるだろう。安定した機体操作になっているため、安心してみていられた。だが、千冬の目からはまだまだといったところだ。伸び代はある。これからといったところか。そして――――
次は一夏。見るからに危なっかしくて見ていられない。しかも急停止をしろと言ったのに、逆に加速して地面に大きな穴をあけた。初心者であることを贔屓目に見てもこれはないだろう。後で復元作業と反省文だ。…………?


いつまで経っても蓮が降りてこない。蓮にすぐに連絡を繋ぐ。


「おいどうした。さっさと降りて来い」
『そうしたいのは山々なんですが、5cmは難しいかと』
「そんなことか、別にいい。さっさと来い」
『了解です』


連絡を切った瞬間。上空からキイィという甲高い音と共に蓮の黒いISが一気に下りてきた。その速度は肉眼で捉えることは難しく、地面に急接近した時に土煙が巻き上がった。しかし、蓮はそれをすでに考慮していたのか生徒たちから少し離れた位置に降り立ったためほとんど被害はなかったといっていい。ほとんどである。一部の生徒――――一夏と箒とセシリアは、まともに土煙の中に入った。


千冬は何も言わない。言われたことをただ行っている生徒には何も言えないのだ。ただ、やはりスピードの出し過ぎだろうか。土煙が晴れ、蓮がこちらに向かってホバー移動してくる。千冬は、蓮の存在に危機感を感じた。何がと言われると分からない。けれども、何かが危ない。そう感じたのだった。


一夏と箒、セシリアが穴の中から出てきた。土煙をまともに被ったため、砂を少し被って薄汚れてしまっていた。すぐに三人は蓮に向かって抗議しに行くが、動かないで見学していろと言われていたのに動いたやつを考慮に入れる必要はないとバッサリ切られた。納得がいかない三人ではあったが、蓮に言われたことがなまじ正論だっただけにぐうの音も出ないといった様子だった。
ただ、ここで捕捉を入れさせてもらうと、先ほどの蓮の機動は全速力である。あの速度でまたさらに上がるとなれば、人体にかかる圧力がキ
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