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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜慟哭と隔絶の狂想曲〜
静穏 Silent Beat
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一番自分を引き止めた少女を思い出し、思わずレンはクスリと笑ってしまった。
『レン、ダメ!人を殺すのは、絶対にやっちゃいけないことなんだよ!』
思い出す、制止の声。
しかし、《冥王》としての自分はもう止まらない。
あと五十五人の命を刈り取るまで、その手を休めることはないのだ。
そして次に思い出したのは。
ヘラヘラ笑う、透き通るような青髪の女性の顔だった。
嘲笑でも、哄笑でも、狂笑でもない。
ただ普通の、温かな笑顔を浮かべていたあの女性の顔を。
なんであんなヤツのことを、と少年は思う。
しかし、人という生き物は”思わない”という事を念じれば念じるほど考え込んでしまう生物である。
ううむ、と唸る少年の思考は、しかし物理的な物事によって強制的に中断された。
――――ポーン――――
システム的なサウンドエフェクトが突如として聴覚いっぱいに響き渡り、レンは心臓が止まるかと思うほど驚いた。
視界中央に出現したのは、小さなお知らせ用ウインドウだ。どうやら、メールが届いた旨を伝えてくれたらしい。
指を伸ばし、それの表面をシングルクリックすると、メール画面が開かれる。
届いたメールは、インスタント・メールだった。送り主はアルゴ。
これはフレンド同士間で行えるフレンド・メールと違い、誰とでもメールのやり取りができる便利な代物ではあるが、文字数に制限があり、なおかつ送る対象と同じ層にいなければ送ることができないという欠点がある。そのため、今現在《鼠》のアルゴはこの第十一層のどこかにいるということがわかる。
あれから転移門を使って層を跨いだのに、自分の現在位置をキッチリおさえている辺り、さすがは一級の情報屋という事か。
その内容は――――
From:Alugo
Main:今から約三十分前、目撃情報があっタ。青髪の女がドラクラの連中に連れてかれたらしイ。詳しい話は省くが、奴らは情報屋連中を介してレン坊に伝言をしたンダ。
息を呑んで見つめる先で、メール画面は無常にこう記していた。
『本日午後十時ちょうどに、この女を殺害する。女の命が惜しくば、二十層のフィールドの外れ、《狼ヶ丘》に来い。お前の手によって死した
殺人者
(
レッド
)
の恨みを晴らす』
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