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銀河英雄伝説 アンドロイド達が見た魔術師
名探偵ヤン艦長の推理 人形師のお宝を探せ その二
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系のシヴァ星系でこの手の解除ができるとなると、警備艦隊の艦船や軍および政府施設になってくるだろう。
 それでもまだ該当ポイントが四桁ぐらいあったりするのだから困る。
 で、どどめの一つ。
 これが最後までこの財宝を守っていた訳だ。

「で、最後の条件がさっきの言葉です。
 このパスワードは質問者と解答者と確認者が必要になります。
 『財宝が何処にあるか?』『はい。それをお教えする事はできません』『歌姫計画--Project DIVA--』このやり取りをネットワークに繋がっている確認者が確認できる事が条件です」

「……ナーサティアってのはそこに絡んでくるのか……」

「もう少し説明をこちらにもしてくださいよ。艦長」

 ヤンの納得したつぶやきに、やり取りを聞いていた戦術長のアッテンボロー少佐が口を挟む。
 立ち居地は、きっと探偵の助手あたりと当人自覚しているからこその発言だったり。

「ナーサティアは双子の神様だったんだよ。
 それも、両方見分けのつかない。
 君に話を振った時に、セントルシアの実体化モデルが居た。
 こりゃ、たしかに鍵を開けるのは難儀な訳だ」

 アンドロイドが複数配備されている艦船は巡洋艦等の大型艦船になり、彼女達とて常時同期している訳ではない。
 むしろ、スタンドアローンで動くことを前提にしているので、同期以外は基本ネットワークにアクセスしていないのだ。
 上位アクセスができるアンドロイドが二体用意できる時点で大幅にその対象者が絞られる。

「同盟の辺境地域振興策と絡むから、感づいた人間は皆口を噤んだ。
 違うかい?」

「はい。
 軍および、政府関係者でこれに気づいた人間はヤン艦長を含めて今まで38人居ましたが、ニルヴァーナプログラムの事を知った皆様は一様に口を噤みました」

「その内、何人が今でも生きているのかい?」

 ヤンの口調は今までと同じなのに、その響きにははっきりとした冷たさが感じられた。
 彼女たちの実質的な自殺プログラムなだけに謀殺の可能性を示唆したのだ。
 だが、現在ネットワークと直結しているセントルシアの実体化モデルは艶やかに微笑んでその疑問を否定した。

「現在、ヤン艦長を含めて17名ほど存命しております。
 私たちが複数居た意味を考えていただければ、その答えはお分かりかと。
 もちろん、皆様幸福な人生を送っていらっしゃいます」

「殺す必要も無かったという訳だ」

 パスワード照合時に、複数のアンドロイドが必要になる。
 そして、その複数のアンドロイドの一つはきっと探索者にとっての文字通りのパートナーだったに違いない。
 そんな彼女を殺すものが財宝だったと知った探索者にとってそれを公表するのか? 
 ましてや、巨額な金が
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