名探偵ヤン艦長の推理 人形師のお宝を探せ その二
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の相手をする事になっている。
ヤン及び、艦橋スタッフの視線がとある一点に注がれるのを誰が責める事ができようか。
惑星アルジェナ。
ヤンがため息をついて緑色の副官に声をかけた。
「惑星アルジェナのデータを出してくれ」
「地表の九割が荒野という惑星で、赤道上にあるアルジェナシティーがこの星唯一の都市です。
人口はおよそ十五万。
この星の主要産業は資源開発で、マーキュリー資源開発がシヴァ政府から委託されて大規模資源開発プラントを運営しています。
アルジェナシティーは、マーキュリー資源開発アルジェナ鉱山の城下町です。
資源搬出の必要性から、中規模の宇宙港を備えており、マーキュリー資源開発が所有しています」
「なんでこんな辺境の田舎星にマーキュリー資源開発なんて大企業が進出しているんだ?」
アッテンボロー戦術長がぼやくが、それに緑髪の副官はあっさりと答える。
「会社側からの説明を信じるならば、シスターズの悲願。
テラフォーミング事業のモデルケースの一つだとか」
もちろん、誰一人として、今はこの説明を信じる者はいなかったのだけど。
ついきっき、セントルシアの実体化モデルが放った一言のせいで。
種を明かすとあっさりとしたものだった。
「パスワードの解除条件は?」
「いくつかの条件があります。
まず、ネットワークに繋がっている事。
私達アンドロイドは基本スタンドアローンで動いているので、同期の際にしかネットワークに繋がりません。
今回、常時ネットワークと接続しているセントルシアの実体化モデルがいた事でこの条件をクリアしました」
以外にこの条件をクリアするのが難しい。
たとえば、アンドロイドにこれを尋ねてもそもそもアクセスルートが繋がっていないのだからそこではじかれるという訳だ。
多くの探索者はここでまず躓いていた。
「次にネットワークにアクセスできる権限を有している事。
もちろん、不正規アクセスはここではじかれます。
アクセス権限はBで、艦長レベルでアクセスできるようになっていました」
アンドロイドを奪ってのハッキングという手段も無かった訳ではないが、それをするには国家規模の施設がいる。
人形師の財宝はちゃんと同盟政府下の監視下にあったという訳だ。
何しろ、辺境部振興政策とリンクしていたのだから、考えれば同盟政府が人形師の財宝を黙認したのも頷けるというもの。
これも、セントルシアの実体化モデルによってクリアしていた。
「次に座標があげられます。
このパスワードのアクセスはシヴァ星系以外では全て拒否する設定になっていました」
ここまで来るとパス解除ができる条件が大幅に絞られてくる。
辺境星
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