幕間 マルシアと妖精
3幕
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「……分かりました。フェイのお姉さん、一緒に避難してくれるかしら」
「は、はいっ」
噛んだ。恥ずかしい。エルはもにょもにょする唇を隠したくて、ルルを抱き上げて毛並みに口元を埋めた。
「じゃあ俺たち、行くな? 首相さんの言うこと聞いて、大人しく待ってるんだぞ」
はっとし、ルドガーを見上げる。ルドガーも心得て、エルの前にしゃがんだ。
「大丈夫。俺はお前を残して死んだりしないよ。絶対だ」
エルはルドガーの首根っこに抱きついた。ルドガーはリュックを避けてエルの肩と腰に腕を回し、エルを苦しいくらいに抱擁した。
ミラの死を経て、エルとルドガーの間で、バラバラに行動する前の恒例になった儀式。
やがて二人は離れ、互いに見つめ合う。
「いってらっしゃい、ルドガー」
「いってきます。エル」
最後にルドガーがエルのおでこを一撫で。そうしてルドガーたちは廃坑の奥へと突入して行った。
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