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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第287話】
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――高層マンション最上階――
静寂に満ちた一室に、ドアが開かれる音が響く。
気だるそうに欠伸をする男は、気にすることもなくリビングへと足を運んでいく――。
「……てめぇ、まだここに居んのかよッ!!」
「あぎゃぎゃ。 俺様が何処でどうしようと俺様の勝手だ。 それとも? お前の許可でも必要なのかよ? オータムさんよぉ?」
「……チッ! ……スコールは何だってこんな奴を……ッ!」
舌打ちをするオータムを気にすることなく、冷蔵庫から缶ジュースを取り出そうと開く――その刹那、あろうことかオータムは仲間の男の頭部目掛けてナイフを投げる。
ヒュンッと空気を切り裂き、真っ直ぐ突き進む――だが、そのナイフはピタリと空中で静止する。
見えざる壁に阻まれるかのように――。
「あぎゃぎゃ♪ ……お前みたいな奴に簡単に命をあげることなんて、俺様には出来ねぇからな」
「……ッ!」
取り出した缶ジュースを開け、一口飲むと静止したナイフを手に取る。
「……あぎゃ。 良いナイフだな。 ……だが、ナイフはククリナイフに限るな」
月明かりに照らされた刃は、鈍く光を放つ。
刃を手に持ち、そのまま返す男を見たオータムはぎょっとした表情を浮かべる。
「……何で投げ返さねぇんだよ……」
「ハッ! 俺様は礼節を重んじるからな……」
そう言い放ち、ソファーに腰掛ける男は、ぐびぐびと喉を鳴らして缶ジュースを一気に飲み干した。
「……そんな甘い事してると、いつか寝首をかかれるぜ――『カーマイン』!!」
「あぎゃぎゃ。 誰も俺様の寝首をとること何て出来ねぇさ」
カーマインと呼ばれた男は、ニィッと邪悪な笑みを浮かべた。
紅い髪をかきあげ、右腕の時計を見て時間を確認すると、飲み干した缶をゴミ箱へと放り投げる。
放物線を描き、毎度の事ながら綺麗にゴミ箱の中に缶が入るのを見ると満足そうに笑みを浮かべながら――。
「さて。 また出掛けてくるか……」
「……何処に行くんだよ。 勝手な事ばかりしてると、スコールもてめぇをいつまでも庇うと思うなよ!?」
「あ? ……別に庇えなんて俺様は一言も言ってねぇし、今回はスコールの依頼だ。 ……それを妨害したとなったらお前の方がまずいんじゃねぇか?」
カーマインの言葉に、苦虫を潰した表情を浮かべるオータムは――。
「チッ! ……邪魔はしねぇから、何処に向かうかだけは言え」
「……あぎゃぎゃ。 IS装備開発企業『御劔』にな。 ……そこである女と会わなきゃなんねぇんだよ」
「……わかった。 さっさと行けッ! スコールの依頼なら、止めるつもりはね
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