暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
眼鏡っ娘は何座の女?
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ら手に入らない細々とした物を買いに行くというわけだ。
山田先生は買い物リスト片手に次々と店を回っていく。
俺の役目は荷物持ちだ。
だから山田先生が買った物を次々と受け取っていた。
買い物がつつがなく終了し、学園へと帰る吊り下げ式のモノレールに乗る頃には俺の両手は荷物で一杯になっていた。
窓が大きくとられたモノレールの車内は明るい。
座席は通路を挟んで左右に二席づつある。
車輌がIS学園行きということもあり車内は閑散としていた。
俺は通路を挟んだ反対側の座席に荷物を置くと山田先生の隣に腰を下ろした。
買い物中事を思い返せば、山田先生は終始にこやかでテンションが高かった。
何か良いことでもあったんだろう。
俺と山田先生が買い物する姿は周りにはどう見えていたのだろうか。
仲の良い姉弟に見えていたのかもしれないな。
俺の隣に座っている山田先生は買い物ついでに書店で買ってきた雑誌をモノレールの走行音をBGMにページをペラペラとめくっている。
それを何となく眺めていた俺は、山田先生先生とこんな穏やかな時間をずっと過ごせたらいいのにと思っていた。
俺の視線を感じたのだろう山田先生はどうかしましたかと聞いてくる。
それにこう答えた。

「山田先生、好きです。俺と付き合って下さい」

自分でも何でこんな事を口走ってしまったのか解らないが、これが今の偽れざる気持ちなんだろう。
俺の言葉を聞いた山田先生は雑誌のページをめくる手がピタリと止まる。
そして、俺の方に顔を傾けた。
俺は山田先生の言葉を待つ間、眼鏡の奥にある翡翠色の瞳をじっと見つめる。

「ベインズくんが先生のことを好きだと言ってくれるのはとても嬉しいですよ。でも、男女のお付き合い――というのは、立場の問題がありますし、それにベインズくんはせっかくIS学園にいるんですから、色々な人と出会ったり、経験してからでも遅くはないと先生は思います。ベインズくんがIS学園を卒業する時、今の気持ちが変わる事がなかったらもう一度さっきの言葉を先生に聞かせて貰えますか? その時に今の返事を返します。ダメかな?」

俺を諭すようにゆっくりと言った山田先生の顔は笑顔であったが、眼には涙が溢れていた。

俺と山田先生が買い物に行った翌日。
俺は気づかなかったが山田先生はぎこちない歩き方をしていたらしい。
それを目ざとく見つけた我がクラスの女子たちの疑惑の目は、当然の既決として俺へと向けられている。
授業と授業の間の休み時間、俺の机にどっと押し寄せてきた女子たちが、俺と山田先生は手を取り合い一緒に大人の階段を登ったのかと聞いてくる。
そんな事実は存在しないと俺は否定したがここで
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ