第四章
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た。
「わしは違う思うけれどな」
何と西本のその言葉は後に当たることになる。
門田は後にアキレス腱を切断する。それで守れなくなった。そのかわりバッティングに専念するようになりそのパワーを開花させた。
ジョーンズは西本本人の手により開花した。彼が近鉄の監督になった時に獲得したのだ。彼の指導によりジョーンズは二度のホームラン王を獲得した。
その彼等を最も警戒した。特に山田のような右のアンダースローは左打者からはボールが見え易いのだ。調子のいい時ならば問題はない。だが今は。しかし西本はこの日は打線については安心していた。
「今日は打ってくれる。山田の調子のぶんまでな」
それは的中した。阪急は三、四、五回に集中攻撃を仕掛けたのだ。一気に八点をもぎ取った。南海は山内から村上、中山孝一等を投入したが阪急の猛攻は抑えられなかった。しかもエラーを連発してしまい守備においても磐石の強さを誇る阪急との差を曝け出す結果となった。
それでも打撃においてそれを取り返そうとする。西本の予想通り門田とジョーンズが打った。これにより一時は二点差にまで迫る。
だが九回に阪急は追加点を入れる。これで勝負ありだった。最後の追撃も及ばず南海は敗れた。阪急は南海の継投を凌ぎ伏兵住友平がニホーマーを放つ等その戦力を見せつける形となった。
「この勝負は阪急の勝ちや」
こう予想した男がいた。ロッテの監督金田正一である。
「南海は捨て身でかからなあかんわ。それでも最後は阪急が立っとる。戦力が違い過ぎるで」
彼は一年を通じて阪急、そして南海と死闘を繰り広げた。だからこそよく知っていたのだ。
「三勝一敗で阪急の勝ちや。やっぱり強いわ」
その阪急が今真の力を見せた。誰もが阪急がそのまま突っ切ると思った。
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