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カナリア三浪
カナリア三浪
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サルに見えてくる

 君への愛で
明日まで行けたら
 僕ら何になれるのかな

 屋根で歌っている間
 あなた 何燃やしたの?×2

進化の途中で見たよ
誰かのぬくもりが
あのひとの灰汁を
 包み込んでいた

こぼさないように
 運んでいるから
 周りから笑われていたけど

 遠い人に惚れてた時
 あなた 何燃やしたの?×2

 すきまを満たしていたもの消えて
 誰かの吐息が入り込む
 愛なのかアクなのか
 誰も気づかないだろう

 仕事お疲れさん。 サブロー

 これだけ書いて、俺は眠る。どこか遠くで不眠症の人が、強い睡眠薬を飲んでいる。俺は、ぐっすり眠る。

 昼に起きて、プールに向かった。泳いでいるうちに水が体に馴染み、境界線が無くなる。水の中にいる緊張感は薄れ、陸上より自由を味わえる。ナチュラルに息継ぎが出来ることは、子供がおねしょをしなくなるのと似ている。
この手がかく水は、手応えなく、するりと手の脇をすり抜けてゆく。水泳選手はスマートだな。より多くの水を効率よくとらえる。なんだか金を上手く稼ぐ人みたいだ。
 窓から昼の太陽光が差し込み、水を照らす。水中に光のカーテンが出来て、底がキラキラ光っている。
 今日、筋力トレーニングより水泳を選んだのは、何かを身につけるより、捨てに行く行為のほうが今の心に良いのではないかと思ったから。水泳は、何かをそぎ落とす。そんな気がする。「いいね、かっこいいね」そんな声が聴こえる。水に親和すると霊感が強まるような気がした。決して全力では泳がず、水と声と疲労感の中を漂った。
 水を飲むほど疲れたら、水から上がってサウナに入る。今朝 送ったメール。もうその人の目に触れただろうか? 威圧感を感じて肝が震える。暴力的な想像をする。その人、俺のセンスをけちょんけちょんにけなして、俺から金になる魅力を奪い取り、俺はその男の目に中指と人差し指と親指を突っ込み眼球をえぐり出す想像。身体中にアドレナリンを感じる。
 シャワーを浴びていると若い太い男がにやけながら、俺の陰茎を見ている。アホの一種だ。恋人や赤の他人には見せられるペニスも、友人や親には見せたくない。すべての人が他人ならストリーキングか。とても遠い所に友人を作りたい。その友人にはペニスのかわりに心を見せたい。

 その人からのメールが来ていた。仕事、早いね。

 おはよう。話を聞きたいと言った、鎌田といいます。
詞、読みました。初見。誰も書かないような詞だね。
 あなたは、持ち上げるのは得意かい?
 その意味は、会ったときするけど。
 仕事、夜だよね?
時間を設定するよ。
 

文末に日時と場所が書かれていた。すすきの、カラオケボックス、一月三日、午後一時。カラオケボックス? 俺の声、
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