2話
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ことだったっけ?っと、先に来ていたお客さんが、少し、僕の事を見ている。視線はすぐに店主さんのほうに向けられ、また自分の頼んだ品を食べ始めた。店主さんに、別段気にしている様子はないようだし、よく来ている人なのかもしれない。
「あぁ、どうも。」
頼んだものが自分の前におかれる。お腹が減っていることもあって、かなりおいしそうに見える。とりあえず八目から。おいしい。
……会話がないのもなんだと思い、これもいい機会かもしれないと、先に来ていたお客さんに話しかけてみる。
「ここのお店には、よく来てるんですか?」
「……え、あ、ええ、頻繁にというほどでもないけれど、よく来ていますよ。
ミスティアとも、よく話しますし。」
腰まで届いている長い銀髪を上で一本に結わき、赤い目をしていて、モンペを着用している。やや人見知りっぽい印象をうける。……なぜだろうか、あまり自分と変わらないのに、雰囲気が、かなり達観している感じがする。
「……あ、ミスティアは、私ね。ミスティア・ローレライっていうの。」
「ミスティアさん、ですか。あ、僕は天城照平といいます。おでんに、八目、おいしいです。お一人でやってるんですか?」
「うん、売り上げどうこうとかじゃなくて、屋台っていうのを一度やってみたくてね。雰囲気とか、好きなの。ああ、それと、ミスティアって、呼び捨てでいいよ。敬語も。」
「そうですか?それでは……。でも、大変じゃない?見たところ、移動式みたいだし。」
「ま、そこは大丈夫よ。それ以上に楽しいし。妹紅にも会えたし、いろんな人がいて、面白いの。」
「……ん、そういえば、私だけまだ名乗ってなかったわね。えっと、私は、
藤原妹紅(ふじわらの もこう)っていうの。私も呼び捨てで構わないわ、妹紅って呼んで?」
「ん、わかった。ところで、気になっていたんだけど、2人はどういう経緯で知り合ったの?」
「んー、どうといわれても。妹紅がお客さんとしてちょくちょく来てて、それでだんだんと自然に仲良く?かな?」
「ま、そんなかんじね。特別なことがあって仲良くなったわけじゃないし。
……そういえば、こうして普通に話してるけど、時間、大丈夫なの?もう結構暗いけど。」
「……あ、忘れてた。やっちまった。」
目的を完全に忘れてた。これじゃあ、急がないとまずいな……。
宿屋はまだ空いているだろうか……。
「はぁ、もう。ここらは夜は危ないんだから、急いだ方がいいわよ?」
「……ん、そうする!ミスティア、お代は?」
「急いでるんでしょう?また今度でいいから、早く行った方がいいよ?」
「え?でも、……いや、うん。お言葉に甘えさせてもらうよ。ありがとう!」
そういって席を立ったと同時、妹紅も席を立っていた。
「ここらへん、あんまり通らないでし
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