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久遠の神話
第八十七話 スフィンクスの問い掛けその七

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「お母さんそっくりだから」
「髪の毛の質も」
「それがああなったじゃない」
「本当に一気だったからね」
 ウィリアム王子の髪の質は明らかに母親のダイアナ妃のものだった、ダイアナ妃は髪も非常に綺麗だった。
 しかしだ、それがだったのだ。
「お父さんの血とよく見たら」
「そのお母さんの方の血でね」
「私もお父さんの方がそうだから」
「気にしてるんだ」
「お母さんの方はそうした人はいないけれど」
 だが、というのだ。ここで。
「男の人毛深い人多いから」
「男性ホルモンだよね」
「だからね。私もって思ってるのよ」」
「髪の毛のことはわからないんだね」
「そう、だからこそ怖いのよ」
 心配という言葉を通り越して、というのだ。
「私にしても」
「それで零君も」
「零はもっと怖がってるわ」
 樹里以上にというのだ。
「男の子だから」
「ううん、そうなんだ」
「とにかく。髪の毛のことは誰も怖いから」
 女にしてもというのだ。
「深刻よね」
「そうだね」
「私としては髪の毛の色は黒でいいわ」
 今度は髪の色の話になる。樹里も上城も髪の毛は黒い、見事なまでに黒々とした健康的な髪の毛だ。今のところは。
「ただ。それでもね」
「それてもって?」
「銀月さんの髪の毛って綺麗よね」
「銀色でね」
「本当にさらりとした綺麗な銀髪で」
「しかも長くてね」
「あんな綺麗な銀髪そうそうないわよね」
 羨望さえ見せてだ、樹里は聡美の髪の毛についてこう話すのだった。
「櫛に梳かしてるのかしら、いつも」
「女神様だしね」
 上城はこのことからも言う。
「だからね」
「元々髪の毛が綺麗で」
「手入れもしていると思うよ」
「どんなシャンプー使ってるのかしら」
「そのこと聞いてみる?銀月さんに」
「そうね、そうしてみようかしら」
 樹里も上城の言葉に乗って言う。
「一度」
「確かに綺麗だからね」
「まるで銀をそのまま髪の毛にしたみたいで」
「それでいて柔らかそうでね」
「絹みたいだから」
 聡美のその髪の話をしていく。
「だからだよね」
「ええ、どうしたらあんなに綺麗な髪の毛になるのかしら」
 樹里は羨望を込めながら話していく。
「そのことを知りたいけれど」
「じゃあ聞いてみようね」
「ええ、それじゃあ」
 こうしてだった、樹里は聡美にその銀の豊かな髪の毛について尋ねることにした。それでその日の昼休みにだった。
 大学のところに行って聡美自身に尋ねた、大学の食堂で食べつつそうした。
 聡美は箸を使いつつ自分の前に座って食べている二人にこう答えた。
「自然にです」
「自然ですか」
「その髪の毛は」
「皆さんと同じです」
 こう答えたのである。
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