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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
世にも不思議な世界の冒険?
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推測としてはここでは魔法が使えない、と考えるべき。
「魔法使えないだけでここまで弱体化って・・・」
足を止めることなく走り続ける。いくら鍛えていたとしても魔法が使えなくなれば一般人と変わりない。迫る岩石と踊り続けるお爺さん。そのお爺さんには若干殺意が沸く。
「「・・・え?」」
急に足元から来る衝撃――地を蹴る感覚がなくなって一瞬の浮遊感に襲われる。
「「お・・・」」
スバルとほぼ同時に真下を見て状況を確認。足元に拡がるのは闇。ハッキリと言えば、「落とし穴ぁぁぁぁぁ!」だった。
「「いやああああああ!」」
浮遊感もなくなって真っ逆さまに落ちる。何か! 何か手は・・・!
「スバル! ウイングロード!」
「魔法は使えないよ!!」
そうだった。落ち着け、落ち着くのよティアナ・ランスター。きっと何か良い手があるはず・・・。結局、何も考えつかずに落ちて・・・
「「いっっっったぁぁぁぁぁい!!」」
思いっ切り尻もちをついた。でも不幸中の幸い、あんな高さから落ちておいて傷一つなかった。
「くぁぁぁ・・・お、お尻が・・・」
スバルは未だに痛みに悶えているけど、あたしは周囲を警戒する。もちろんあたしだってお尻が痛いけど、そんな甘いことは言ってられない。
「・・・なに・・・?」
この空間の中央からせり上がるのは、ライトアップされた円柱型のステージ。スモークもものすごいし、どこからかコーラスも流れてくる。
「ティア・・・!」
スバルが立ち上がってあたしのところまで駆け寄ってくる。ステージに最大警戒しながら出口を探そうとした時・・・
「わーっはっはっはっはっはっは!! よく来たな人間どもよ!!」
ステージの上に立つ・・・何アレ? 明らかに人じゃない、甲冑を着こんだ二足歩行の獣が叫んだ。
――魔物カセギゴールドが現れた――
「オレ様を倒しに来るのは勇者と思っていたが、たかが小娘が2人とは! まぁいい! とくとオレ様の爆笑必至の強力な水中バレエを見て、窒息死寸前まで笑い転げた後、このオレ様が直々にお前らの鼻水を面白おかしく飲み尽くしてくれるわっ!」
「「・・・」」
言ってることがメチャクチャと言う次元を遥かに越えている。もし万が一、億が一でも実行してくるのであれば、全力で逃げないとあたし達は二度と表に出られないほどの精神的ダメージを負うことになる。
「・・・・って、なんじゃこりゃぁぁぁぁ! 誰がそんなものを飲み尽くすか馬鹿者ぉぉぉ!」
二足歩行の喋る獣が手にしていた本を床に叩きつけたかと思えば、ステージから飛び降りてどこかに走り去っていった。静かになったこの空間にポツンと取り残されたあたしとスバル。
「・・・行くわよ」
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