暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
世にも不思議な世界の冒険?
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ないけど、ルシルさんが大量の書物を呼びだしたという話だ。2階の共同ロビーいっぱいを埋め尽くした本の山。ヴィヴィオが持っていた本の何冊かは、たぶん未回収のルシルさんの本。
「う〜ん、ルシルさんってホントすごいよね。使い魔もそうだし魔導師のレベルとしても」
頭の後ろで手を組みながらスバルがそう口にした。実際はすごいというレベルの遥か上だ。ルシルさんもシャルさんも謎が多すぎる。今までは全然そんな風には考えなかったけど、ここ最近は何故かそういう“思考”が生まれてしまう。
(まるで今までそういう考えが出来ないように、邪魔されていたような感覚・・・)
何かに――誰かに“あたし”の思考が操られている・・・?
(そんなことあるわけないわね)
馬鹿な考えだ。
「・・・ア・・・ティ・・・ティア!!」
「っ!?」
あたしのすぐ目の前にあるスバルの顔。あまりにもいきなりだったから、ビクッとしてしまった。
「急になに!? ビックリするじゃない!」
「何度呼んでも返事しないティアが悪い! それより周り!」
「周りって・・・なによこれ!?」
さっきまでは平原を歩いていたはず。なのに、いつの間にか石造りの通路へと光景が変わっていた。あたし達が混乱する中、さらにあたし達を混乱させる要素が通路の奥からやってきた。
ピ〜〜ヒャラ〜〜〜〜〜♪
通路の奥から、通路いっぱいの幅を持つ巨大な岩石と、その上に立って変な踊りをしているお爺さんがやってきた。
――キタキタオヤジ&お約束トラップが現れた――
「「っ!?」」
硬直も一瞬。すぐに反対方向へとダッシュで逃げる。いろいろと頭の中が真っ白になってしまっている。それほどのインパクトをあたしに与えた半裸のお爺さん。というか、どうして高速で転がる丸い岩石の上で踊れるのかが不思議でたまらないわ。
「さぁそこのお嬢様方もご一緒にっ。伝統のキタキタ踊りで、世界平和といきましょうぞ!」
ピ〜〜ヒャララ〜〜〜〜〜♪
幻聴だ幻聴。きっと幻聴に違いない。もし幻聴じゃないなら、死んでもイヤです。そんな踊り。
「ティア! 魔法でどうにかした方がいいかも・・・!」
隣を全力ダッシュするスバルからの提案。そうだ。何もご丁寧に走って逃げる必要はないんだ。
「そうね! クロスミラージュ!」
「マッハキャリバー!」
「「セットアップ!!」」
待機モードの“クロスミラージュ”を手にして起動しようとしたけど、何の反応もなかった。諦めずに何度も試してみるけど、やっぱり反応はなかった。
「うそーっ!」
「なんでなんでなんでなんでなんで・・・!?」
スバルも同じらしく、“マッハキャリバー”を振ったり指で突いたりしている。
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