番外中編
蒼空のキセキ4
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ーちゃんはレミぽんをっ!」
「りょーかいッス!」
戦場たる足場の雲の周囲を旋回していた巨鷲がその軌道を変える。
その道は一直線、こちらに対する突進攻撃。
受け止めるべくファーがその手の盾を掲げ、レミがその後ろで衝撃に備える。遠距離攻撃専門の火力職であるレミがボスの攻撃の直撃を受けるわけにはいかない。先ほどまでは戦闘の主役の一人だった彼女は、ここパターンではかばわれる側だ。
だが、彼女は。ソラは、違う。
「さぁーこいっ、デカブツくんっ!」
先ほどまでの投擲槍をストレージに終い、構えるのは巨大な戦斧。
彼女の持つ武器の中で最高の硬度を誇るその装備は、突進を迎え撃つにはもってこいの重装備。
ファーと肩を並べての、巨鷲との衝突。響く、凄まじい轟音。
だが、赤く輝いたその戦斧は、ボスの突進すらも受け止めて見せた。
◆
竜と見紛う強大なる鷲の王、《いにしえの巨鷲》の攻撃パターンは三つだ。
一つは先ほど見せた、「近接攻撃の届かない位置で旋回しながら使い魔を召喚しての攻撃」。これは本来はただ待つしかない攻撃であり、このパターンを比較的強力な遠隔攻撃でほぼ無力化できるのは《冒険合奏団》のほかにはない強みだ。
二つ目はその「旋回」パターンの次に訪れる、「突進、のち停止しての近接戦闘」。これが最も反撃に適したタイミングであり、彼らもファーをメインの壁役、シドをサブの回避壁役として、ソラがHPを激しく削っていく。
そして、最後の三つ目。
このクエストが敬遠されるゆえんたる、所謂『即死攻撃』が、彼らに対して襲い掛かった。
◆
「っ、くるよっ! シドっ!」
「りょーかいっ、っと!」
巨鷲がHPを残り一割まで削られたとき、これまでよりもさらに大きな声で一声嘶いた。
先ほどまでのパターンとは異なるそれは、……シドが前もって教えてくれていた『奥の手』モードに突入したっていう合図。足場を固めてのくちばしと両翼での接近戦を演じていたボスが、凄まじい勢いで羽ばたき始める。発生した風が、群がっていた私たちを風圧で押し離していく。
三つ目の攻撃パターン。
とうとう追い詰めた空気に、心のワクワクが止まらなくなっていく。
さあ、とうとう大詰めだ。
「さあ来いっ!!!」
私の声が聞こえたわけじゃないだろうけど、敵がまるで弾丸のように大空へと舞い上がる。それはさっきまでの旋回ではない、もっと急な角度での飛行。複雑な軌道を描いての飛行でそのまま雲の合間へと隠れて姿をくらまして、
「ソラっ、後ろに跳べっ!!!」
それは私たちに襲い掛かった。
今の私たちの足場は……びっくりなことに……「雲」だ。もち
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