暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第七十幕 「貴方を振り向かせたくて・前編」
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う事ではない。彼女が話したかったのは一夏の事だ。

「アイツさぁ、何て言ったと思う?『ベルとも会の活動は日曜日が一番忙しいからまた今度にしてくれ』って言ったのよ?幼馴染の女無視して小っちゃい男の子のお尻を追いかけ回すとか・・・何?あいつゲイなの?」

同年代の少女から実質的なデートの誘いを見事に断られた鈴の気落ちっぷりは凄まじく、憂鬱のあまり一夏を投げ飛ばして頭を天井に突き刺した位だ(弁償代は一夏持ちである。ざまぁ!)。ベルとも会のメンバーには多くの女子がいるのだから異性が嫌いという事は無いだろう。こちらからの積極的なスキンシップにもそれなりに反応する。にも拘らず私生活では圧倒的に同性優先。
告白すれば突発性難聴になり、遠回しに伝えると無自覚にその思いを零落白夜してしまうこの男が買い物に誘う事すら難しくなっているという事実は少なからず鈴にダメージを与えた。中学時代ならそれなりに付き合ってくれたのに・・・

「シスコンは間違いないな」
「デッケンを追いかけ回しているならばショタコンの可能性もあるぞ」
「それ以上は止めて!救いが無くなるから!!シスコンでショタコンなゲイって何よ!誰が得すんのよ!?」

バンバンと机を叩いて遺憾の意を示す鈴だがこの食堂は台パン禁止である。鈴だって年頃の女の子なのだから男が原因でデートの申し込みを断られたとあってはいい気がしないだろう。しかも日曜日が忙しいって遠回しに「付き合ってる暇はない」と言われたようなものだ。
二重の意味で女心の分からない男に箒は頭を抱えた。昔より多少は成長しているような気がしたが、全面的に気のせいだったようである。このままでは鈴が報われない。

「アタシだって一夏と一緒にいたいのよ!?ベルーナ・デッケンとか誰それ状態よ!!幼馴染だし訓練にも結構付き合ってあげたし酢豚だって奢ってあげたのに・・・何でこんなに扱いがひどいのよぉぉぉ・・・!!」

おんおんとむせび泣くように顔を伏せて哀愁と怨嗟が1対1で混ざった声を吐き出す鈴に箒は居た堪れない気分になってきた。確かに鈴は隣のクラス問う事を加味してもかなり積極的に一夏の所へ足を運んでいる方である。ユウや簪ともかなり仲がいいが、その中でも一夏への態度は頭一つ飛び出ていると言ってもいい。もっともツーマンセルトーナメントでは恋より友情を優先させたようだが。
そして、そんな鈴をよそに独自の分析をしていたラウラがさらに追い打ちをかける。

「いや、むしろ近しいからこそ気を遣ってないのではないか?近しい間柄になると遠慮なく物を言えるということもあるだろう。父もそうだったし」
「ラウラ・・・それじゃ余計に報われないじゃないのッッ!!」

有り得る、一夏ならばあり得る。女心どころか同性ともずれているあの男ならラウラの言っている内容が一番近
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