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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第七十幕 「貴方を振り向かせたくて・前編」
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前回のあらすじ:女は強し

箒とラウラがその同級生の姿を発見したのは、土曜の授業がすべて終わり食堂で課題でもしようかと話しながら歩いていた時の事だった。見覚えのある特徴的なツインテールの小柄な少女、鈴だ。普段の快活な姿は何所へやら、頭をテーブルに投げ出したまま深いため息をついている。テーブルの上にうねる様に落ちた長い茶髪が横に置いてあるコップの結露に触れている事すら気に留めていないほどのやる気の無さはどうしたというのだろう。

「・・・どうしたのだ、鈴?」
「んぁ?んあー、箒にラウラか・・・はぁー・・・」
「人の顔見て溜息吐くんじゃない。で、何かあったのかだろう?」

テンションのどん底を這うカタツムリの様なだらけ加減の鈴を見れば普通はそう考えるだろう。理由もなく急に落ち込む人間など普通はいないものだ。まして普段から活発な存在がこうとあっては体調不良も疑われる。
IS学園の生徒は多かれ少なかれ仲間意識が強い。学び舎も寝食の場も共通し、互いに助け合いながら生活していくのだから、そういったコミュニティ的連帯感が生まれるのも自然なことだろう。

特にこの3人は専用機持ちという事もあってかそれなりに接点が多い。悩みを抱えていたり困っているようなら時間を割くことに躊躇うよう間柄ではない訳だ。鈴は所在なさ気な顔を持ち上げ、手をこまねいて座れという意を込めたジェスチャーで二人を席に促す。

「明日さ、日曜じゃん?」
「そうだな」
「学生の貴重な休日だな。父に甘えに行きたいが行けないタイミングでもある」

日曜日が休みだからって仕事が無いとは限らない。特に彼女の言う(クラース)は学園の警備主任というやんごとなきご身分なのでほいほいと休みを取れない立場だったりしてラウラとしては不満らしい。まぁ当然というか、鈴の言いたかったことはそういう事ではないのだが。

「一夏にさ、ちょっと遊びに行かないかって誘ったのよ。ほら、アタシだって女の子だし?林間学校も近づいてきたから新しい水着でも買おうかと思ってね?」
「む・・・そうだな。私も先輩に水着を選んでもらおうかと画策している」
「そーいうノロケ、マジ要らない・・・」
「甘いな!水着は既に複数のバリエーションを揃えてあるぞ?イロモノはスクール水着から上はスリングショットタイプまで!・・・体形に合わん物が半分以上なのだがな」
「そういう哀しい報告もマジ要らないから・・・」

既に箒が遠距離恋愛中であることくらい鈴は知っている。ただ、どこかで恋バナを独占するために情報を意図的にストップしている女子がいるらしく、実はそこまで大人数にその噂は広まっていない。ラウラの方は本当に要らない。鈴の体系は割とラウラに近い(主に胸辺りが)ので悲しみを背負いそうになる。
ともかく鈴が話したかったのはそう言
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