暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
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「きゃああああッ! ルシル! な、ななななな何するのエリオ!」

だがそこで倒れないのが私の体もといヴァイス。状況が解らないのかフェイトが悲鳴を上げる。なるほど、フェイトは今この六課で起きていることを知らないわけだ。そこを狙うとはヴァイス、お前ってやつは・・・。

「馬鹿か!? というか最悪だな! 同じ男として情けなさ過ぎて涙が出るぞっ」

自分の体に指差し怒鳴る。何なんだこの状況は・・・。くっそぉ、これはかなり泣きたくなってくる。

「エリオ!? ルシルにそんな・・・!」

俯いたまま立っている私の体(ヴァイス)に駆け寄って心配するフェイト。すると私の体(ヴァイス)は何を思ったか、いきなりフェイトに抱きつこうとしやがった。

「させるかぁぁぁぁーーーーッ!!」

当然阻止するに決まっている。私の体で好き勝手させるものか。今度はガラ空きの顔面に掌低一閃。さすがに蹴りは後の事を考えると自粛せざるを得ない。

「ぐはぁっ!」

「ルシル!? エリオ! いい加減に・・・!」

「今は大人しく見ていろフェイト!」

「ガーン!!」

フェイトがよろよろと下がっていき、両膝をつき両手を地面について項垂れ始めた。

「呼び捨て・・・反抗期・・・エリオが・・・反抗期・・・グスッ(泣)」

『・・・キャロ、フェイトに説明を。正直忍びない』

『あ、はい。お任せください』

ずーん、と背景に影を落としながらこの場から退場するフェイトとティアナ(キャロ)。フェイトにはあとで謝り倒そう。

「ってぇな。何しやがる」

「こっちのセリフだ、ヴァイス。さすがに今のは看過できないぞ!」

「ハッ! ルシル、お前の体に入っている今が良い機会だ。邪魔はさせねぇぜ!」

「ほう、邪魔はさせないとは大きく出たな」

「忘れちゃいねえか、ルシル。今の俺はお前の体ってことをよ。お前の魔法を扱えりゃ、どんな魔導師だろうと俺には勝てやしねぇ」

「・・・フッ」

大きく出た理由はそれか。だが残念だったな、ヴァイス。現代の人間が魔術師(わたし)の力を扱うことは不可能だ。それ以前に私――ルシリオン・セインテストの意思がなければ、魔力すら発することは出来ない。こういう緊急時用の対処法くらいは持っている。

「俺のバラ色人生のために、ここで終わっとけぇぇぇぇーーーッ!」

「お前、妹と仲直りしてから性格が歪んだんじゃないか!?」

ヴァイスの妹ラグナ・グランセニック。彼女とヴァイスは、スカリエッティ事件ののち複雑だった関係が修復したらしい。その所為かヴァイスが吹っ切れたように馬鹿をするようになった。

「私の身体である以上、お前の計画(もうそう)は無駄だっ!」

「キエェェェェェェェ
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