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海上隔離施設の乙女(笑)たち 〜Leviathan’s diary〜
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ギトに手伝ってもらって早口言葉に関する本を探す。見つかったのは1冊だけだったけど、内容を見れば十分だった。

――月々に・・・月見る月の・・・多けれど・・・・月見る月の・・・この月の・・・月――

結構つらい。

――月々に月見る月の多けでっ!?――

アギトが思いっ切り舌を噛んだ。あれは痛い。

――分かった? 分からない? 分かったら「分かった」と、分からなかったら「分からなかった」と言わなかったら、分かったか分からなかったか分からないじゃない。分かった?――

ルーテシアは早口言葉というレベルじゃない遅さで早口言葉を口にした。

・・・・・・・。
沈黙。そう簡単にいくわけもないか。本のページを捲って、次々と早口言葉に挑戦した。

――光合成・・・合成・・・毒性・・・化合物・・・――

――光合成合成毒性化合物!! よっし言えたぁぁぁ!――

アギト、それを何回か繰り返さないとダメなんだよ。

――放射線照射装置掃射総責任者・・・・――

――手術中・・・集中しなくて・・・中傷集中・・・砲火・・・――

口にする早口言葉の選択が間違っているのかもしれなかった。さすがに初心者にはレベルが高過ぎる気がした。

――レヴィお嬢様、ルーお嬢様、アギトさん、首尾はどうっスかぁ?――

陽気な声で読書室に入ってきたウェンディ。上手くなる方法を訊いて、まずは簡単なものから始めることになった。

――じゃあレヴィお嬢様、いくっスよ。生麦生米生卵、はい!――

――生麦・・・生米生・・・たまご・・・――

慣れた話し方だとどうしても間を空けてしまう。どうしてこんな話し方をするようになったんだろうか。

――もう1回っスよ。生麦生米生卵、はい!――

――生ふぎ生ほめ生なまこ――

――いろいろと惜しいっスねぇ――

――でも間が空かなかった。それだけでも進歩だよ、レヴィ――

――あ・・・うん・・・――

――ありゃ空いたっスね――

もう少し時間がかかりそうだ。けどいつかは言えるようになってみせるって決意した。


――○月×日 晴れ

今日は更生プログラムの一環でお菓子作りとなっていて、調理室に移動した。
と言うか、何故お菓子作りなんてものが更生プログラムに入っているのかが不明だ。
だけど料理はアギトのおかげで好きになったから、やる気はある。

――つうか何で菓子作りなんだよ。んなもん必要ねぇだろ――

だけどノーヴェはあまり乗り気じゃない。

――まあそう言うな、ノーヴェ。もしかしたらここを出たら必要になるかもしれん――

――チンク姉がそう言うなら、しゃあねぇ――

ノーヴェが簡単に折れた。これが鶴の一言というものか。渋々ノーヴェ
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