アフター2 文化祭準備1
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っとドキドキしてしまうくらいなのだけれど、発言がすべてを台無しにしてしまっている。
「なんだ、白上のあの“凄み”……。普通じゃない……!」
「噂じゃ、駅の近くにあるメイド喫茶に通い詰めて、僅か半年でスタンプカードを二十枚集めたことがあると聞く……」
「な、なんだって……。最高にキモいぜ……」
「…………」
彼女の悪口が聴こえた気がするけれど、怒るに怒れないというか、むしろ同意。そういうところも可愛いっちゃ可愛いんだけど。
「――その一!」
――外野の呟きなど耳にすることなく、翔子は椅子から立ち上がって、声高々に宣言する。
「男子の着替えシーン、撮影許――」
「ふざけんな!」
「引っ込め!」
「じょ、冗談よ冗談……。そ、その二、選んだ男の子とポッキーゲー……」
「黙れー!」
「その口を閉じろー!」
「翔子……」
男子たちの避難の的にされている恋人の姿というのは、見ていてとても心が痛くなる。
痛くなるのだけれど、しかし、今回ばかりは男子たちの気持ちも痛感できるので、何も言わずに静観せざるを得ない。
っていうか、翔子的には、もしも僕が他の女子とポッキーゲームをやらされることになっても、同じことが言えるのだろうか。
――まあ、下半身と頭が直結してる系美少女だからなぁ、翔子は……。そういうところに、惹かれないこともないっちゃないんだけど(惚気)。
「そ、その三!」
「もういい、喋るな!』
「口元に付いたご飯粒とかを指でとって食べさせてくれるサービス!」
「む、無視しやがった……。しかも最低の案だ!」
「一人でやってろー!」
「へーんだ、今は拓郎がやってくれるもんねー!」
「――し、白上ぃ、あんた、調子乗ってんないわよ!」
煽っていくスタイル。
その発言は男子はおろか、女子たちまでも敵に回すこととなる。
出し物を決めるときと同じく、教室内は阿鼻叫喚の生き地獄へと突入していく。
鳴り止まない男子の大ブーイング。しかし翔子はめげることなく、次々と自分の案を述べていった。
――しばらくの間、翔子が下心満載のお下劣な案を出して、男子たちが壮絶に反発して却下していく――というサイクルを繰り返した後……、
「――……その十四!! 白地のカーテンの向こう側で、男の子たちのお着替え!」
「それは……! ……なんで?」
「カーテンの奥は出来るだけ暗くしておいて、その中にライトを置いておくのよ。すると……」
「すると……?」
「男子たちの生着替えシーンがシルエットで映し出される!」
――しーんと、教室内を木霊していた怒号が止み、男子たちは顔を見合わせた。
「あ〜……、まぁ、そのくらい、いいんじゃないか……?」
「うん、別に……なぁ」
「さっ
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