アフター2 文化祭準備1
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感じたのか、真面目に議論を始めてしまった。
「確かに、ただコスプレ喫茶をやっても面白くないしな。普通とは違うなにかが欲しい」
「女子もコスプレするのは決定事項として。それだけじゃ弱いよな、やっぱり」
「そ、それって決定事項なのかしら……? その、女子もコスプレって……」
女子の一人が、恐る恐るといった風に、先の男子の発言を反復する。
「何を今更。女子も全員がコスプレするっていうのが、男子側の出した条件だっただろ。な、赤沢さん?』
「え? あ、う、うん。そうだね……」
そうなのだった。あの時、切羽詰まりながら問い詰めてきた翔子の甘言に、僕が思わず頷いてしまった翌日。なぜか、男子たちのほとんどが、『女子のコスプレってのも面白そうだ』と乗り気になってしまい、あれよあれよという間に、出し物が決定してしまった。
僕としては、翔子のOLスーツ姿を妄想して、衝動的に頷いてしまっただけだった。なので、自分がコスプレと称した着せ替え人形とされることに、まだ納得がいっていたわけではないのだけれど。
せっかく出し物がまとまりかけたところに、水を差すような真似はしたくない。それに、何より、せっかくだから翔子を着せ替え人形にしてやろうという気持ちもなくはなかった。
――そんな気持ちで、僕は話しかけてきた男子に同意の返答をする。
「ま、女子に何をさせるかは置いておいて、コスプレ喫茶っていうからには、やっぱりメインになるのは男の子よね」
「んだなぁ。女子のコスプレも受け狙いにはなるだろうけど。お客さんたちは男子の可愛い姿を期待してくるだろうし」
「……」
「その点、このクラスには、"春眠暁の眠り彦"が在籍してるんだ。このアドバンテージを活かさない手はないよね」
「!?」
「いっぱい来てくれたお客さんには、眠り彦に"あ〜ん"して貰える権利とか』
「!!」
「"眠り彦"に好きな服を着させて、一緒に写真が取れるサービス!』
「……!?」
発言するタイミングを見逃してしまっているうちに、次々ととんでもない提案がなされていく。
あと、眠り彦っていうあだ名はいい加減何とかしてほしい。
「――その程度じゃ、まだ普通のコスプレ喫茶でしかないわよね」
満を持して。重々しく口を開いたのは、2年B組が誇る下心、僕の彼女の白上翔子だった。
「言うじゃないか白上。なら、なにか良案があるのかよ」
「当然よ。数々のメイド喫茶やコスプレ喫茶、果ては妹喫茶からツンデレ喫茶まで、ありとあらゆるコスプレ系の喫茶店を網羅したこの私に、不可能はない!」
「……」
翔子……。
「私の案を採用すれば、集客率は二倍……いえ、三倍は固いわね」
自身と自負に満ち溢れた、翔子の微笑。
その姿は確かに綺麗で、ちょ
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