第五話、地球へ
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唐突に言われたことに、フェイトとアルフは疑問符を浮かべたがラウルはあっさりと頷いた。
「どこかの世界に行くことは予想していたからな。まあ、そこが地球っていうことには若干驚いているが」
その割りには表情変わらないんだねぇ、というアルフの言葉をラウルはすました顔で受け流した。
「ああ、そのことなんだがプレシア、俺だけ今日から地球に向かってもいいか?」
「なぜかしら?」
唐突に言い出したラウルの提案に、疑問を示した。問われたラウルは、プチトマトをひょいと口に入れた。
「地球にジュエルシードの確保にいくのならそれなりの日数がかかると考えてもいいだろう?」
「ええ、そうね。だから、明日はリニスにも地球に向かってもらって正式な戸籍作って家を借りようと思っていたのだけど」
プレシアの提案に、ラウルは頷いて同意を示した。
「だがそこまでする必要はない。正式に戸籍を作るのは恐らく簡単じゃないだろうしな。実は、そういったことの専門というほどではないが、戸籍を偽装してくれるとかそういったツテがあるんだ」
全員の、批判的な目がラウルに突き刺さった。
「戸籍の偽装って、なんであなたそんな人と知り合いなのよ?」
問いかける、というより尋問に近い口調だった。想像以上にアウェイな雰囲気に、流石のラウルでも焦り始めた。
「いや、な?お家柄というかなんというか…と、とにかくっ、その人が俺の母親と知り合いで、何度か会ったことがあるんだよ」
説明してみても、三人の視線は変わらない。だが、ここで食い下がるほどラウルは弱くなかった。
「もともとこうなったのは、挑発に乗った俺のせいだし…少しでも役に立ちたいんだ。だ、ダメかな?お、お母さん…」
「いいわよ!」
「母さん!?」
「決断早すぎじゃないかねえ…」
あざとい、実にあざとい涙目+上目遣い。更にプレシアにとっては至高のご褒美とでも言っていいほどの、『お母さん』という呼び方。躊躇う必要など、微塵もなかった。
「ありがとう!」
言葉で感謝を告げながら、ラウルは恥ずかしすぎて真っ赤になった顔を懸命に隠していた。
そんなラウルを見て、アルフはニヤニヤしていたのだった。
「ラウル、もう出るの?」
転送ポートの用意が完了し、自室で荷物を整理していると部屋にフェイトが入ってきた。
取り敢えずカバンにほとんどが紺色や黒で統一された服を押し込み、俺はフェイトに向き直った。
「ああ、できるだけ早く拠点を確保しておきたいからな」
「そっか…」
いつもより歯切れの悪いフェイト。なにかあったのだろうか。
「ねえラウル?」
「うん?」
戸惑
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