暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
お得感の足りないシリアスセット(Sサイズ)
[4/10]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
「おかえり」って挨拶している。
『なのは、少しいいか?』
『え? あ、うん。なに?』
いきなりの念話。口頭で話すような内容じゃないのかもしれない。念話に応えつつ、私たちは寮へ向かうために歩き出す。
『シャルに聞いた。ヴィヴィオを正式に引き取るらしいな』
ヴィヴィオを真ん中にして、私が右側、ルシル君が左側に立って、ヴィヴィオと手を繋ぐ。そんなヴィヴィオはすごく嬉しそうだ。さっきから私たちを交互に見て笑顔満面。
『うん。ヴィヴィオの居ない生活が考えられなくなっちゃって』
『そうか。・・・ヴィヴィオにはもうそのことを?』
『うん、もう話してあるよ。書類の手続きとかも全部揃えてあるし』
あと少しの記入と提出で、私はヴィヴィオの正式な母親になれる。
『そうか。・・・憶えているか、なのは。私がヴィヴィオの父親として居る期間のことを』
『っ!』
もちろんそれは憶えている。ルシル君がヴィヴィオの父親役として居てくれるのは、ヴィヴィオが引き取られるまで間と言う約束だ。でも・・・
『でも引き取り手は私だし、このままでもいいよ?』
ヴィヴィオがルシル君を父親として慕っているのは間違いない。それを今になってやめさせるなんてことは出来ないし、したくない。こんな良い笑顔なんだから、これからもルシル君を父親として・・・あ。今さらながらに思い知る。正式な母親の私。ならルシル君は? 父親になる。それはつまり・・・
(ルシル君が・・・私の旦那さん・・・?)
ということになるわけで。ううん、それはダメ。だってルシル君はフェイトちゃんの・・・。
「なのはママ? ルシルパパ?」
ヴィヴィオの声で思考から抜ける。いつの間にか寮のエントランスにまで辿り着いていた。私は立ち止まって、少し考えを整理。そして、『・・・ルシル君』いま決心したことを伝えるベク、ルシル君の名前を呼ぶ。
『ん?』
『これからも、ヴィヴィオのパパでいてくれますか? もちろん本当の父親になってほしいとまではお願いできないけど・・・。ルシル君さえよければ・・・』
それが私の出した結論。フェイトちゃんからルシル君は奪えない。奪ってはいけない。でも、それでもヴィヴィオのパパであり続けてほしい。たとえ形だけでも。それが今の私の願い。ルシル君を見上げる。その表情は、シャルちゃんと同じどこか陰のある微笑み。でもそれも一瞬で、すぐに普段の微笑をルシル君は浮かべた。
『・・・ああ、なのはとヴィヴィオが良ければ。――』
『ルシル君、今何て言ったの?』
またシャルちゃんと同じ。その先の言葉が聞こえなかった。2人とも、なんか大事な言葉を濁してるような気がしてならない。
「『いや、何でもない』これからもよろしく、
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ