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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
お得感の足りないシリアスセット(Sサイズ)
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「おかえり」って挨拶している。

『なのは、少しいいか?』

『え? あ、うん。なに?』

いきなりの念話。口頭で話すような内容じゃないのかもしれない。念話に応えつつ、私たちは寮へ向かうために歩き出す。

『シャルに聞いた。ヴィヴィオを正式に引き取るらしいな』

ヴィヴィオを真ん中にして、私が右側、ルシル君が左側に立って、ヴィヴィオと手を繋ぐ。そんなヴィヴィオはすごく嬉しそうだ。さっきから私たちを交互に見て笑顔満面。

『うん。ヴィヴィオの居ない生活が考えられなくなっちゃって』

『そうか。・・・ヴィヴィオにはもうそのことを?』

『うん、もう話してあるよ。書類の手続きとかも全部揃えてあるし』

あと少しの記入と提出で、私はヴィヴィオの正式な母親になれる。

『そうか。・・・憶えているか、なのは。私がヴィヴィオの父親として居る期間のことを』

『っ!』

もちろんそれは憶えている。ルシル君がヴィヴィオの父親役として居てくれるのは、ヴィヴィオが引き取られるまで間と言う約束だ。でも・・・

『でも引き取り手は私だし、このままでもいいよ?』

ヴィヴィオがルシル君を父親として慕っているのは間違いない。それを今になってやめさせるなんてことは出来ないし、したくない。こんな良い笑顔なんだから、これからもルシル君を父親として・・・あ。今さらながらに思い知る。正式な母親の私。ならルシル君は? 父親になる。それはつまり・・・

(ルシル君が・・・私の旦那さん・・・?)

ということになるわけで。ううん、それはダメ。だってルシル君はフェイトちゃんの・・・。

「なのはママ? ルシルパパ?」

ヴィヴィオの声で思考から抜ける。いつの間にか寮のエントランスにまで辿り着いていた。私は立ち止まって、少し考えを整理。そして、『・・・ルシル君』いま決心したことを伝えるベク、ルシル君の名前を呼ぶ。

『ん?』

『これからも、ヴィヴィオのパパでいてくれますか? もちろん本当の父親になってほしいとまではお願いできないけど・・・。ルシル君さえよければ・・・』

それが私の出した結論。フェイトちゃんからルシル君は奪えない。奪ってはいけない。でも、それでもヴィヴィオのパパであり続けてほしい。たとえ形だけでも。それが今の私の願い。ルシル君を見上げる。その表情は、シャルちゃんと同じどこか陰のある微笑み。でもそれも一瞬で、すぐに普段の微笑をルシル君は浮かべた。

『・・・ああ、なのはとヴィヴィオが良ければ。――』

『ルシル君、今何て言ったの?』

またシャルちゃんと同じ。その先の言葉が聞こえなかった。2人とも、なんか大事な言葉を濁してるような気がしてならない。

「『いや、何でもない』これからもよろしく、
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