第七話 幼なじみ、昔なじみ
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相手の後ろに着地。
飛び降りた反動を殺さず、そのまま屈む。
そこから、地面を這うように足を払う。
「あっ!」
敵が両足を払われ、バランスを崩したまま倒れようとしている。
俺は足を払った反動そのままに足を回す、 と同時に回しながら倒立に体制を変える。
その足を勢いのまま蹴りを入れる。
バシッ!
ドン!
相手はそのままぶっ飛んで、木にぶつかり止まった。
「ふぅ。」
二人はどうなったかな、と周りを見渡す。
ハナのほうは・・・あぁ、降りたまま踵落としを食らわせたらしい、相手が頭を抱えて悶えている。
見事、11人抜きか・・
イナリの方はどうなったかな?
こっちは手刀で一発か、俺たちが襲いかかったから隙ができたか。
「相変わらず強いね、カタナ。」
顔をこちらに向けて、イナリが声をかけてくる。
「な、何いってんだ、いつも通りだ。」
不意に誉められて、声がうわずってしまった。
「いやいや、最初から最後まで流れるようだったよ。」
「そんなことないよ。イナリ。」
「そうかなぁ、すごいのに。」
まだ、言ってるよ。
俺の一族じゃこれぐらい当たり前だ・・当たり前なんだよ・・・。
ちょっと暗い気分になった。
ん?ちょっと待てよ。イナリは何で俺の動作を知ってるんだ。あいつも同時に攻撃していたはずなのに。
「なぁ、イナ『パシューン・・・』」
「あ、訓練終了の合図だ。」
空を見ると赤色の信号弾が上がっていた。
「さ、終わり終わり!戻るよーイナリ、カタナ!」
ハナが安堵した表情を見せ、俺たちに声をかける。
「ん?どうかしたの、カタナ?」
変な顔でもしていたのだろう、ハナが質問してくる。
「何でもないよ、さぁ戻ろう。」
「戻ったら大騒ぎだよ、ハナが11人抜きしたって。」
イナリが茶化した感じに言う。
「それはあんたちが手伝わないからでしょー!」
はぁ、騒がしいやつらだな。
でも、こいつらといると嫌なこともそんなに気にならないな・・・。
稲荷神社 お堂 夕方
ふしみイナリ
「只今戻りました、お稲荷さま。」
手を合わせ、お稲荷さまに挨拶をする。
目の前にはお稲荷さまの像がある。
狐の形をした神様、あの日見たのは白い狐だった。
『どうして敵の位置がわかるんだ?』
今日、カタナが聞いてきた質問が頭に甦る。
何でか、ほんとに分からない。何故か感じてしまう。
小さい頃は何もなかった。
気にしたこともなかった。
でも、あの日以来、感じるようになった。
どの辺りに人がいるのか。
なんでか、ほんと
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