第七話 幼なじみ、昔なじみ
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違いなく、隣にいる“ふしみイナリ”だろう。
イナリは相手の位置をしっかりと把握し、相手の視線、意識を自分に来るように仕向けている。相手からギリギリ見えるところを通ったり、相手を倒すのではなく、ちょっかいを出すような攻撃をしている。
そして、自分に意識が向くようにして、逆に突っ込むハナが攻撃するまで目立たないようにしている。
人懐っこい顔をしてるのになかなか鋭いことをする。
昔なじみだが、こんな感じだったかな。昔はどちらかといえば、ハナのようなタイプだったと思うけど。
・・・両親を亡くしてからかな、少し変わったような気がするな、たぶん。
・・・と考えてる間に、もう1チームが犠牲になった。
俺、何もしてないな。
怒られるかも。
「ちょっと、二人とも少しは手伝ってよね!」
ほら、怒られた。
「ハナが突っ込んで行くからだよ。それにハナは強いから大丈夫。」
イナリが弁護のような、そうでないような返事をする。
「イナリはちゃんと援護しているぞ。・・・俺は何もしてないけど。」
キッと睨まれた。
これはまずいかな、怒ってる。
たぶん、イナリがヘラヘラしてるからかな。
・・・次はちゃんとやるか。
「ほら、そうしてないでもう行くよ!」
イナリが話を打ち切り、ひゅっと木の枝の上に飛び乗る。
ハナも渋い顔をしながら続く。
それを見て俺も。
木の間を、幹や枝の上を足場に移動していく。
訓練終了の合図がないと言うことは、まだ何チームか残っているはず。
!?
先行していたイナリが急に止まり、左手をまっすぐ横に伸ばしている。
“止まれ”の合図だ。
俺とハナはイナリの一つ後ろの枝に止まる。
「10時の方向に1チームいる。地面の上を移動中。」
やはり、敵を見つけたか。
そこで俺はずっと気になっていた質問をする、
「どうして敵の位置がわかるんだ?」
隣でハナも、うんうんと頷いている。
「んー、正確にわかる訳じゃないんだよ。何となくあそこにいるなぁって言う感じかな。」
「そういうもんなのか?」
俺には何も感じないけどな。ハナも同じだろう。
イナリはいわゆる感知タイプというやつなのだろうか。
「それより、攻撃攻撃。僕が相手の目の前に姿を見せる。で、しまったとばかりに逃げる。まるで辺りを偵察中に出くわしたみたいにね。そこを二人が木の上から攻撃、よろしく。」
『了解』
俺とハナが答える。
それを聞くと、しゅっとイナリは移動していった。
俺たちも続く。
敵を視認する。
イナリは陽動にかかる。
「!?いたぞ!イナリだ!追いかけろ!」
食いついた!
俺とハナが飛び降りる。
下に敵がみえる。
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