第七話 幼なじみ、昔なじみ
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第七話 幼なじみ、昔なじみ
火の国暦58年7月20日 木の葉隠れの里 アカデミー
菜野ハナ
アカデミーに入学して三ヶ月が過ぎるかな。
授業も少しずつ難しくなってきたし、実戦を踏まえた演習も始まるって先生が言ってた。
「うぅ、大丈夫かな?訓練・・・」
演習も心配だけど、どちらかと言うと今日の訓練のほうが不安が一杯だ。
「大丈夫だよ、ハナは体動かすの得意でしょ?」
となりに座っていた顔馴染みの子が答えてくれる。
真っ黒い色のツンツンしている髪で、笑うとワンコみたいに人懐っこい顔をする。
彼は近所の神社に住んでいた幼なじみ?みたいになるのかな。
「えーでも、今日の訓練て、実戦を意識した体術でしょ?友達と殴りあいするなんてムリだよ。」
「ぶふふ、ふふ。」
彼は・・・・笑ってる。
・・・・ずっと笑ってる。
イラっ。
「ふふ、大丈夫だよ、いつも殴っ『バキッ!』あ、痛っ!」
殴ってやった。
けっこう本気で。
「あ、ほら!いつも殴ってる。」
「うるさい!バカちん!」
「ふ、ははは!」
ま、また笑ってる・・・・。
もう。
彼は笑ってる。
あの時はこんな元気になるなんて思わなかった。
イナリのご両親が亡くなった時、イナリは死んじゃうんじゃないかって思うぐらい塞ぎこんでた。
話しかけても、遊びに誘っても、悲しい顔をしていて、お堂に入っていってしまった。
それから、いくらか経って急に元気になった。
何でかはわからないけど、ほんとによかったと思ったことを覚えている。それ以来、イナリが泣いていたり、悲しそうにしていたりしたことはない。
「何してんだ、お前ら?」
そんなことを考えていると、後ろの方から声が聞こえた。
振り返ると、
青い色で、さらっと肩までかかる長い髪を後ろで結んでいる男の子が立っていた。
「もう訓練場に行かないと遅れるぞ。」
私たちが返事をしないので用件だけ言って教室から去っていく。
「あ、すぐ行くよカタナ。」
「うん、ありがと、カタナ!」
私たち二人が同時に答える。
アカデミー 訓練場
うちはカタナ
今、目の前ですごいことが起きてる。
ハナがもうすぐ10人抜きをするところだ。
それはもう、取っては投げー、ちぎっては投げー、だった。
体術の訓練ではあるが実戦を意識したもので、スリーマンセルを組んでチームで行う。そして、この訓練場も森林の中にあるので単なる力業ではうまくいかない。高低差、視界などを意識した立回りが重要になる訓練だ。
・・・それをハナは、まっすぐ突っ込む力業を見せている。
だが、それを可能にしているのは間
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