初話
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た後、挨拶を交わして別れる。
……俺は、まっすぐに、家に帰る。
―――夜、自室―――
家に帰り、妹と少し話をし、「おやすみ」とかわしてから数刻、現在、23時を少し、本当に少し過ぎたあたり、外を確認し、妹が寝ているのを確認してから、ゆっくりと、音をたてないように、家を出た。
―――深夜、外―――
(……よかった)
俺がこの時間帯に外にいることは珍しい。自分で、そう思うほどには。
(……だけど、これからどうする?この時間帯だ、人はそうそう通らない)
まぁ、そうじゃないと話もできないからな。仕方ない。
さて、なんで俺がこんな時間に外にいるかというと。
(……なんとか他人に迷惑がかからないようにしないと……まったく、なんだっていうんだ。心当たりがない)
なぜか、見られているのだ。自意識過剰なわけじゃない。根拠はある。俺は、相手を、生涯において一度も見たことがないし、家の前で2,3時間もこちらの部屋を見ていたらそれはもうそうだろう。
(きっかけが欲しいなぁ。めんどくさい、こっちからいこう。)
怖いし、不安はある。だけど、これが陽菜や美夏に向けられるよりは遥かにいい。
どのみち俺が動かなきゃならないんだ。だったら、何も知らないうちに、が一番だろう。
―――時間:不明・場所:不明―――
おそらく、相手も俺が気づいているとわかってる。
だったら、こちらの意図をわからせれば応じるだろう……応じてほしい。
家も何もない、ただ広い場所へ出た。この場所は、俺に……俺たちにとって、とても大切な場所。
だからこそここを選んだ。何も知らない2人に、静かに無事に終わらせると形だけでも誓うために。
「……」
「その人」はただ黙ってついてきて、僕の前に現れた。
マンガみたいにこちらが声をかけたわけでもない。
……さて、目立たない範囲におさめないと。
「……すみません、正直、我慢が出来なかったもので、何か僕に用でも?」
「……」
「……そういうわけではないのですか?なら、なぜ、僕のあとをついてきていたんですか?
それに、家の前で僕の部屋を、いや、僕の事をずっと見ていましたよね?これ、警察の人に言っても、いいんですよ?」
一度に話しすぎた。こちらの手札が無駄になる。変な緊張感のせいだ。普段ならこんなこと絶対にしないのに!
「いえ、確かにあなたを付け回していましたが、害意はありません。」
「……害意はない、ですか。信用が、できないです。」
「もちろん、今のところは、です。それが正しい対応でしょう。」
「……僕は子どもですから、難しいことはできません。あなたの、言いたいことは、
なんですか?」
落ちつけ、今のところは、安全が保障されている。
焦るな。
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