初話
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にかからなかったことに内心ほっとしている自分がいる。ほんとによかった。
「そう?こいつの部屋行くときについでに持ってくから、大丈夫よ?」
「ううん、私もあとで教えてもらいたいことあるから、そのときに持っていきますよ。
……あ、ご一緒しても大丈夫ですか?」
「全然おっけーおっけー。受験勉強偉いねー、こいつとは大違い。」
「やっと話振られたと思ったらそれか。いいじゃんか、進路に困らない程度にはできてるんだし。泣くよ?」
泣かないけど。
「それじゃあ、着替えたらお邪魔しますね。飲み物はいつもどおりでいいですか?」
「あれ?スr「うん、ありがとうね、先に部屋で待ってるね。」
疑問さえ入れてもらえない!?
「ほ、ほんとに泣いちゃうよ!?いいの!?」
「「……」」
泣きそう。
―――部屋―――
玄関での悲劇から数時間、
「―えっと、ここは―――」
「そこは、先に因数分解をしてから―」
「あ、そっか、そしたら分母と分子で共通なのが出るから―」
すっかり美夏と陽菜の一対一の個別授業となっていた。
まぁ、俺はノート写させてもらうだけだし、そもにわかんない問題が
あんまないからしょうがないっちゃしょうがないんだけど。
……あ、もうこんな時間だ。
「あ、なるほど、そうすれば代入で答えが出せますね」
「そうそう、ここのページの問題はだいたいこれと同じやり方で出来るから、
参考にしながらやってみて。」
「……なぁ、美夏。」
タイミングを見計らって声をかける。
「ん?なに?」
「今日はどうすんの?」
「ん?……んー、あと、30分くらいしかないや……」
「え?……あ、もうこんな時間!?すみません、全然気づかなかったです!」
「いやぁ、大丈夫よ。10分もあれば家に着くし、私も高校生なんだから、少しくらい遅くなったって。」
「そ、そうですか?もう、大分進みましたし、あまり遅くなっては……」
「うーん。ま、そうね。たまには早く寝ようかしら。」
「ん、じゃあ、送っていくよ。近いっつっても、暗いのは危ないだろ。」
「ありがとね。じゃあ、今日はお疲れ様、陽菜ちゃん。」
「はい、ありがとうございました。今度、遊びに来てくださいね。」
―――美夏宅前―――
学校からの帰りと同様、何気ない話をしながら歩く。
下校のときよりも、一層早いように感じた。
「じゃ、ありがとね、今日はさっさと寝ちゃいなさいよ?」
美夏の家は一般の家より少し広い。和風というより洋風で、目立ちすぎない、暖かい印象を受ける。
……2階の部屋の電気がついていない、今日はまだ両親は帰ってきていないようだ。
「わかってるよ、点数取れたって、単位落としちゃ意味ないからな。」
軽く話し
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