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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百五話 嘲笑する虐殺者
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:ビロライネン准将(特設第一艦隊情報主任参謀兼任)
後方主任参謀:キャゼルヌ准将

基本的に特設第一艦隊の司令部が総司令部を兼任している。俺が後方主任参謀になったのは特設第一艦隊作戦主任参謀のコクラン大佐がその膨大な作業に悲鳴を上げたからだ。同盟軍の補給に関しては俺が前線で、セレブレッセ後方勤務本部次長が後方で責任を持つ事になっている。他にも総司令部には多くの参謀が臨時で配属されている。全部で七十名程になるだろう。

第一艦隊 マルコム・ワイドボーン中将
第二艦隊 パエッタ中将
第三艦隊 ヤン・ウェンリー中将
第四艦隊 ライオネル・モートン大将
第五艦隊 アレクサンドル・ビュコック元帥
第六艦隊 ラルフ・カールセン大将
第七艦隊 ホーウッド中将
第八艦隊 アップルトン中将
第九艦隊 アル・サレム中将
第十艦隊 ウランフ大将
第十一艦隊 クブルスリー大将
第十二艦隊 ボロディン元帥
特設第一艦隊 エーリッヒ・ヴァレンシュタイン中将

実働兵力は十三個艦隊、約十九万隻の大軍だ。同盟の全戦力を挙げての迎撃になる。動員されないのは地方の警備艦隊、哨戒艦隊等の小規模艦隊だけだ。その他に若干の陸上戦力が動員されている。もっとも宇宙空間の戦闘でどれだけの働きの場が有るのかは疑問だ。有るとすれば貴族連合軍の占領地の奪回作戦だろうが、総司令官代理は何処まで貴族連合軍を同盟領に引き摺りこむつもりなのか……。

会議室には統合作戦本部長代理グリーンヒル大将も居る。後はヴァレンシュタイン総司令官代理を待つだけだ。定刻には未だ間が有るが参加者の中で最年少の彼が他の皆を待たせている。普通なら先に来て少しでも反発を小さいものにしようと考えそうなものだが……。そんな事は考えないのだろうな。

会議室にヴァレンシュタイン中将が入って来た、後ろにはミハマ中佐が続く。二人とも若い。総司令官代理とその副官……、しかし外見は何処となく頼りなげな若手士官にしか見えない。だが会議室のざわめきはピタリと止まった。ビュコック、ボロディン両元帥が起立した。他の士官達もそれに続く。

皆が起立する中、ヴァレンシュタイン総司令官代理は特に急ぐ事なく正面の席に向かった。内心ではその事に不満を持った士官も居るだろう。古参の指揮官達の間で不満を漏らす人間が居るという噂も有る。まあ三十歳以上年下の上官など中々受け入れ辛いのは間違いない。

総司令官代理が正面の席に着くと皆が敬礼した。総司令官代理がそれに応えて答礼する。……答礼を解かない、答礼したままじっと会議室を見回した。そして微かに口元に笑みを浮かべる、ゾクッとするような笑みだ。嘲笑、或いは冷笑か。答礼を解いた、笑みは残っている。皆も敬礼を解くが会議室には異様な空気が漂った。皆居心地が悪そうに席に着く。

「貴
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