暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
4th Episode:
〜A・RI・GA・TO〜
これからの時間を大切に
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って起こる衝撃波が一瞬で街を消滅させていく。こちらは“干渉”によって現実と切り離されているために影響はない。だからこそ見えた。“聖典グングニル”が粉々に砕け散るのを。

「クス♪・・・バイバイ、お兄ちゃん達」

その後は一方的な殺戮だった。数分とせずに界律の守護神(わたしたち)は全滅した。守るべき国は滅び、守護神となってから初めて愛したリエラは死んだ。唯一の救いはエリザとマリア、少数とはいえ避難できていた民が生き残ってくれたことだ。
だがそれを知るのは、このとき召喚されていた私の分身体が“アポリュオン”に堕ち、亡失アーミッティムスとなり、そして“神意の玉座”に在る本体の私もまた心が壊れ、完全に塞ぎこんだ時だ。全てが嫌になった。殺し殺され、守り守れず、それが延々と続くと思うと・・・。

その後、私はしばらく壊れていた。命を奪うことにも何も覚えず、ただ淡々と事を為す。まぁ、そこは“神意の玉座”の意志が気を遣ったのか殺すための契約ではなく、守るための契約が増えた。次第に癒されていく心。随分と簡単な作りをしている、と思った。

――ルシリオン様。お久しぶりです――

――マリア・・・!?――

それからどれだけ経っただろう、マリアが5th・テスタメントとして玉座に現れた。目を疑った。何故この子がここに居るのか、と。訊けば彼女は私と同様、生きている間に守護神となったとのことだ。目的は私のサポートだと。呆れた。守護神となる術を手にし、そして私なんかのために、このような地獄に来てしまった。ゆえに彼女は“愚者と賢者は紙一重”なんて二つ名を持つことになってしまった。

それからは亡失アーミッティムスとなった私の分身体を捜し続け、なんとか斃すことに成功した。だが、それで終わったわけじゃない。私はもう幸せを望まないようにした。だから契約終了後に、その契約先世界に残ろうという考えは捨てた。
それが当たり前だから。本来、その世界に在ってはならない異物は残るべきではない。友情も、愛情も、悲しみも、苦しみも、私なんかが持ってはいけないんだ。私は、自分の幸せなどを願っていい存在ではないのだから。


―――(ココロ)は砕けた信念で満ちている

信じた未来の果てに辿り着いたのは破滅へ続く道

永遠の中をただ独り  たった一度の幸福も許せず

死に逃げることさえも許せない

怨まれるのは当然の罪で、憎まれるのもまた当然の罰

故に理解されようとは思わない、それが唯一の償いなのだから

奪い去った幾多の命の十字架を背負い彷徨い続ける

彼の者はきっと壊れ果てた(ココロ)で生きていた―――


とある正義の味方の在り方を表した言葉に、私の在り方を重ねて生み出した呪文(スペル)

意識が覚醒していくのが判る。ど
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