暁 〜小説投稿サイト〜
不殺の侍と聖杯戦争
本戦
一回戦〜残り128人
一日目
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
サーヴァントに諭されても黙っていることしかできなかった。
勝ち残れない、と。その宣言は誰より自分自身が感じていることだからだ。


「ま、ご愁傷様とだけ言っておくわ。今回のおぺは、破壊専門のクラッキングじゃなく、侵入、共有のためのハッキングだったし。一時的にセラフが防壁を落としたといっても、あっちの事情はわたしたちには知れないしね。あなた、本戦に来る時に魂のはしっこでもぶつけたんじゃない?ロストしたのか、リード不能になってるだけか、後で調べてみたら?ま、どっちにしても、あなたは戦う姿勢が取れてないようだけど。覇気というか緊張感というか……全体的に現実感がないのよ。記憶のあるなし、関係なくね。まだ夢でも見てる気分なら改めなさい。そんな足腰定まらない状態で勝てるほど、甘い戦いじゃないわよ。」


自分は記憶喪失……ということだろうか。自分は何者で、どんな経歴を持っていたのか。いや、そもそもなぜ聖杯戦争なんてものに参加したのか。今確かなことは自分はサーヴァントを従えた魔術師(マスター)という事だけだった。


教室に戻る。すると周りは対戦相手がどうのこうのという会話をしていた。まずはそのことについて近くの女子生徒に聞いてみた。


「対戦相手が決まると、いよいよ本戦って感じね。……え、まだ対戦者決まってないの?管理者の言峰神父を探してみたらどう?ほかにもいろいろと教えてくれるだろうし。」


まずはその言峰神父を探すことにした。


彼は一階の廊下にいた。話しかけることにする。


「本戦出場おめでとう。これより君は、正式に聖杯戦争の参加者となる。私は言峰。この聖杯戦争の監督役のNPCだ。君たち魔術師には、この先のアリーナという戦場で戦ってもらう。この戦いはトーナメント形式で行われる。一回戦から七回戦まで勝ち進み、最後に残ったマスターに聖杯が与えられる。つまり、128人のマスターたちが毎週殺し合いを続け、最後の一人となったマスターが聖杯を手にする。シンプルで、どんな愚鈍な頭でも理解可能なシステムだ。戦いは、一回戦毎に七日間。各マスターたちには一日目から六日目までに、相手と戦う準備をする猶予期間(モラトリアム)が与えられる。君はこれから、六日間の猶予期間(モラトリアム)で、相手を殺す算段をすればいい。そして最終日の七日目に相手マスターと戦い、勝者は次の戦いへ、敗者にはご退場いただく、という具合だ。何か聞きたいことがあれば答えよう。ルールを聞く権利は等しく与えられているからな。」


とりあえず、一番気になったのは猶予期間、というものについてだ。


「敵も同様に、君を殺す算段を立てている。猶予期間は等しく与えられている。準備の手段などはわたしに聞くな。好きにすればいい。」


ならば、先ほど渡された
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ