本戦
一回戦〜残り128人
一日目
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サーヴァントに諭されても黙っていることしかできなかった。
勝ち残れない、と。その宣言は誰より自分自身が感じていることだからだ。
「ま、ご愁傷様とだけ言っておくわ。今回のおぺは、破壊専門のクラッキングじゃなく、侵入、共有のためのハッキングだったし。一時的にセラフが防壁を落としたといっても、あっちの事情はわたしたちには知れないしね。あなた、本戦に来る時に魂のはしっこでもぶつけたんじゃない?ロストしたのか、リード不能になってるだけか、後で調べてみたら?ま、どっちにしても、あなたは戦う姿勢が取れてないようだけど。覇気というか緊張感というか……全体的に現実感がないのよ。記憶のあるなし、関係なくね。まだ夢でも見てる気分なら改めなさい。そんな足腰定まらない状態で勝てるほど、甘い戦いじゃないわよ。」
自分は記憶喪失……ということだろうか。自分は何者で、どんな経歴を持っていたのか。いや、そもそもなぜ聖杯戦争なんてものに参加したのか。今確かなことは自分はサーヴァントを従えた魔術師という事だけだった。
教室に戻る。すると周りは対戦相手がどうのこうのという会話をしていた。まずはそのことについて近くの女子生徒に聞いてみた。
「対戦相手が決まると、いよいよ本戦って感じね。……え、まだ対戦者決まってないの?管理者の言峰神父を探してみたらどう?ほかにもいろいろと教えてくれるだろうし。」
まずはその言峰神父を探すことにした。
彼は一階の廊下にいた。話しかけることにする。
「本戦出場おめでとう。これより君は、正式に聖杯戦争の参加者となる。私は言峰。この聖杯戦争の監督役のNPCだ。君たち魔術師には、この先のアリーナという戦場で戦ってもらう。この戦いはトーナメント形式で行われる。一回戦から七回戦まで勝ち進み、最後に残ったマスターに聖杯が与えられる。つまり、128人のマスターたちが毎週殺し合いを続け、最後の一人となったマスターが聖杯を手にする。シンプルで、どんな愚鈍な頭でも理解可能なシステムだ。戦いは、一回戦毎に七日間。各マスターたちには一日目から六日目までに、相手と戦う準備をする猶予期間が与えられる。君はこれから、六日間の猶予期間で、相手を殺す算段をすればいい。そして最終日の七日目に相手マスターと戦い、勝者は次の戦いへ、敗者にはご退場いただく、という具合だ。何か聞きたいことがあれば答えよう。ルールを聞く権利は等しく与えられているからな。」
とりあえず、一番気になったのは猶予期間、というものについてだ。
「敵も同様に、君を殺す算段を立てている。猶予期間は等しく与えられている。準備の手段などはわたしに聞くな。好きにすればいい。」
ならば、先ほど渡された
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