『第二十六話』〜拓斗の力〜
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も相まって竜巻は炎の竜巻となった。
竜巻が治まったそこには何も残っておらずただ一人の少年が立っているだけだった。
「倒したのか……?」
「あぁ」
俺の問いに彼は答える。
圧倒的だった。
彼のバリアジャケットには傷どころか汚れ一つない。
巨人の攻撃を一つも喰らわず。
強力魔法で倒してしまった。
彼は本当に何者なんだ?
九歳、わずか九歳だ。
それなのに魔法、戦闘技術、どれも尋常じゃない。
九歳とはとても思えない。
圧倒的な戦闘技術、見たこともない魔法式。
彼は一体いつ、何処で学んだのだろうか?
「……ノ……ク…ノ……お………い……クロノ!」
「っ! な、なんだ?」
「なんだじゃねぇよ。ジュエルシード、さっさと封印してくれ。」
「あ、あぁ分かった」
僕は拓斗に差し出されたジュエルシードを封印する。
「ようやく終わったか……エイミィ転送を「待ってくれ」どうした?」
転送を呼び止めた拓斗の方を見ると拓斗は何かを見つめていた
「まだ……終わってないんだ」
拓斗の視線の先には――
―― 一人の子供がいた。
「なっ! いったいどこから!?」
この辺りはジュエルシードの反応を感知してから認識阻害結界を張っているはずだ。
それをこの少年は超えて来たということは、魔導師の可能性が高い。
狙いはなんだ?
ジュエルシードか?
「待て」
僕が男の子を警戒してデバイスを構えようとしたら、拓斗はそれを手で制した。
「なぜだ? 彼は結界を超えてここまで来た。魔導師だと考えるのが妥当だろう」
「いや、超えて来たんじゃない。元々いたんだよ」
「元々? どういうことだ」
「今回のジュエルシード、今までより強かったろ?原因、アイツだ」
「……は?」
今、拓斗は何て言った? ジュエルシードの原因があの子?
確かに、ジュエルシードは人間が発動すると通常よりも強力になるがあれほどまでになるだろうか?
それに
「……もしそうだったとしたら、あの子は今まで何処にいたんだ?」
そう、何処にいたか。もしそのあたりで気を失っていたとしたら気付くし、暴走体の中にいたとしたら拓斗の魔法の餌食になっている筈だ。
「何処って、ジュエルシードの中だよ」
「……はい?」
……ジュエルシードの中?
「いや、待ってくれ……そんなわけないだろ! 魔法なんかならともかく、人間が!? 不可能だ!!」
「そうだな、不可能だ」
「そうだろう!
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