『第二十六話』〜拓斗の力〜
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目を瞑った。
そして強い衝撃が
――ドガァァァァァン!!
来なかった。
「え……?」
恐る恐る開いた僕の眼に映ったのは。
右手が粉々になった巨人と
「おいおい……大丈夫かよ?」
右腕に炎を纏った拓斗だった。
拓斗side
危ない危ない。
もう少し遅れてたら大けがしてたぞ。
「な、なんで魔法が……? デバイスがないと」
「いや、普通に使えるから。話聞けよ」
俺の言葉に「ぐっ」と押し黙るクロノを羽交い絞めにしている泥人形を腕に纏っている炎で破壊してクロノを解放してやる。
「すまない、助かった」
「別にいいよ。勝手にやったとはいえ、一人で戦ってくれたんだからな。後は俺がやる」
「一人で? アイツはとてつもなく硬いが……いや、君なら大丈夫だろう」
「あぁ、オマエは下がってくれ」
「わかった」
クロノが後ろに下がったのを確認した後、巨人と対峙する。
「さて……おまえに恨みはないが」
拓斗は右腕に炎を纏い、巨人は周囲に泥人形を従えていた。
「おまえの力、貰い受ける」
クロノside
先手をとったのは巨人。
両腕から2m程ある泥の塊を連射してくる。
「我求むは水 流麗なる動きで導き受け流せ『流導(りゅうどう)』」
拓斗がそう唱えると周囲に水が現れ泥の塊を全て受け流す。
そして右掌を巨人に向ける。
「今度はこっちだな……『紅蓮斬弾』」
拓斗の掌から無数の赤い魔力刃が放たれる。
巨人は僕の時と同じように相殺しようと泥の塊を放つが拓斗の魔力刃はものともせずに塊を真っ二つにし、巨人をも切り裂く。
それと同時に拓斗が飛び出す。
巨人は警戒しているのか拓斗を寄せ付けない様に泥の塊をいくつも放つが、拓斗は軽く体を捻ることで回避する。
「我求むは火 目指すは点の力 伸びて伸びて焼き破れ 『火線砲』」
泥の塊を回避しながら放ったそれは糸のように細い熱線。
それがまっすぐ巨人の腹部を貫いた途端、巨人は炎に包まれる。
「とどめだ」
そう言って巨人の真下に来た拓斗は真上の両掌を構え、最後の呪文を唱える。
その両手には風が集まり渦巻いていた。
「我求むは風 世界に流れを齎す大流よ その巨大な存在を力とし外敵を消し飛ばせ 『星の息吹』」
瞬間、巨大な竜巻が巨人を襲う。
巨人を包んでいた炎
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