第十九話
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しながらメイト・チョッパーをくるくると指の上で器用に回し、腰のホルスターに収めた。
「片腕でお前に勝てるなんて思っちゃいねぇよ……だが、そっちにも足手まといがいるからな」
マントを翻し、PoHは俺たちに背を向ける。
……誰とは言わなかったが、足手まといが誰のことだかは分かる。
「《銀ノ月》に《黒の剣士》。貴様らは必ず無様に転がしてやるから、覚悟しておいてくれよ」
最後にそう言い残し、最強のレッドプレイヤー、PoHは姿を闇の中に消していった。
「……行ったか。だけど、まだ二人残ってる……!」
自らの鍛えた《索敵》スキルで確認したのだろう、キリトは焦った声でアイテムストレージを開き、俺に解毒結晶と転移結晶を放った。
「……後の二人は任せてくれ」
かなり扱いが難しい筈の漆黒の馬を乗りこなし、キリトは丘の方へ走っていった。
そして、俺は渡された解毒結晶を使い、とりあえず麻痺状態からは解放された。
「…くそッ!」
思いっきり手を地面に打ちつける。
最後の一太刀。
PoHの腕を斬り、メイト・チョッパーを吹き飛ばしたあそこで油断した。
そのせいで、隠し持っていた毒ナイフにやられたのだ。
――そして、ふと、数分前に植えた花を見ると。
俺とPoHの戦いに巻き込まれたのか、耐久力がほとんど無くなっており、パリンと音をたてて四散した。
「……新しい花、買って来なくっちゃな……」
その言葉を最後に、俺は第十九層《ラーベルク》から消えた。
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