謎解き
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のsaiだなんて。でも、僕は二人の会話を聞いていたんです」
「どんな会話だ」
お父さんは怪訝な顔をして話に食いついた。僕は話すのに戸惑った。あの日見たことは全て僕の妄想なんじゃないかという考えに一瞬侵されたからだ。
「佐為さんは、突然saiの力を持ったようです」
「?・・・どういうことだ?」
「聞いていましたが、とても納得できる内容ではありませんでした」
「いいから話してくれ」
急かされるままに僕はあの日のことを暴露した。だが、佐為さんの夢については言わなかった。そして、進藤の訳の分からない呟きのことも。僕が話し終えたら、お父さんは首を振り、「まさか」と言った。
「藤原君も記憶喪失になっていたのか?囲碁のことを、忘れていたのか?」
僕の頭はパンク状態だった。しかし、お父さんの推理には一理ある。あの時進藤は言ったのだ。「やっと思い出したんだな、佐為」と。しかし、そうなると二人は嘘をついていたことになる。二人は去年の夏に会った。その時点で佐為さんの棋力はsaiのものではなかった。二人はその前から知り合いだったはずなんだ!
―やっと思い出したんだな
―消える時、何て言ったんだ?
全く読めない。進藤の言葉は何を意味しているんだ。
なんだ。このもやもやした気持ちは。僕たちは答えとは程遠い所に居る気がする。
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