第5章 契約
第83話 舞踏会の夜
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不思議ではない、……と言う思い込み。
それに、この部分は春のアルビオン行きの際に、正確な座標をダンダリオンの鏡技能で把握して居たから、このアルビオンの浮遊している高度に関しては間違い有りません。
更に、
「気圧も下がり、酸素濃度も地表と比べると七割程度にまで下がる。当然、水の沸点も下がるはず」
そもそも、その直前のフェニックスの再生の儀式の際には、タバサを俺の能力の範囲内に納めて居て、彼女には常に酸素を地表と同じレベルで供給し続けました。
ワイバーンを召喚して、高高度を移動する際も、当然、酸素の供給と、周囲の温度……体感温度には気を配って来ました。
つまり、ここから判る事は、このハルケギニア世界の物理現象は、この部分に関しては、俺の暮らしていた地球世界とほぼ同じだと言う事。
しかし、その通常の科学的考証がまったく通用しないアルビオンが、単なる精霊力の暴走程度で高度三千メートル以上の場所に存在していて、其処に人間……一般人が暮らして行ける訳は有りません。
先ず、水をどうやって得ているのか。
それに、真夏。地表の気温が三十度を超える真夏でも、高度三千メートル以上では日中の最高気温が十度を少し超えるぐらい。
こんな気温では、このハルケギニア世界で行われている普通の農業など出来る訳が有りません。
そもそも、平野部でも森林限界を超えている可能性も有りますか。
「あれは一種の呪い。わたし達にも理解不能な現象」
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