第5章 契約
第83話 舞踏会の夜
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……。
「何でも、最近の凶作や戦乱は、何時までも聖地を奪回出来ない事をブリミル神が御怒りになった顕われだそうだよ」
俺が何の答えも返さないので、その聖戦を発動させる理由を口にするイザベラ。
もっとも、凶作は天の気分と麦類に流行っている疫病が原因。そもそも、三圃制や四圃制で牧草地としている場所の細かな手入れを行えば、麦に流行っているサビ病と言う疫病の広がりはかなり抑えられるはず。
更に戦乱に関しては、トリステインとアルビオン両国の思惑が絡み合った物で有って、神の怒りなどと言う物とは程遠い、非常に生臭い理由から発生した物である可能性が高いはず。
「それに……」
もう、ロマリアの思惑だろうが、トリステインの思惑だろうが、みんなまとめて何処か遠くで幸せに成って下さい。
……と言う、非常に投げやりな気分になって居た俺。
そんな俺の考えや様子など気にするはずもないイザベラが更に言葉を続ける。
「何でも精霊力の暴走に因り、すべての大地が浮き上がる。つまり、このガリアやトリステインもアルビオンのように宙に浮き上がるそうだよ」
……何と答えたら良いのか判らない、ただ唖然とするばかりの言葉を。
「その顔はまったく信用していない、と言う顔だね」
しかし、イザベラの方はかなり真面目な様子。
……いや、これは明らかに俺を試して居る雰囲気。
少なくとも、非常に危険な天変地異が迫っている、と言う緊張した。ピリピリとした感触を発していないトコロから、そう思うのですが……。
ただ、だからと言って……。
「アルビオンと同じ状態に成るのなら、別に問題ないと私は思うのですが、姉上」
少し、真面目な方向に意識を向け、そう答える俺。
今現在、トリステインがアルビオンに攻め込んで居るのも、結局は領土欲。
つまり、アルビオンにはトリステインが戦争をしてでも手に入れたい領土や領民が居ると言う事。
現実に浮遊島と言う俺の科学的な知識の向こう側の存在が有るのですから、ここから先に同じような島……。いや、今度誕生するのは規模から言うなら、浮遊大陸と言う物が出来上がるのでしょうが、それでも大きな問題が有るとは思えないのですが。
もっとも、その浮かび上がる時の勢いが、ロケットの発射の際のような勢いだと言うのなら問題が有りますが。
それに、そもそも……。
「湖の乙女。それにティターニア」
人間レベルでは解決不可能な厄介事でも、精霊の力を借りたなら解決可能の可能性も有ります。
まして……。
「その精霊力の暴走とやらをどうにかする事は出来ないのか?」
この場には俺とタバサは精霊を友として魔法を行使出来る存在が居ます。それに、湖の乙女やテ
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