第5章 契約
第83話 舞踏会の夜
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が聞かされた話では、ガリアの歴代の王は祖王よりすべて敬虔なブリミル教の信徒と言う事に成って居る。その中でも、もっとも敬虔な信徒と呼ばれているのは、敬虔王シャルル一世】
湖の乙女に続きタバサが伝えて来た内容はコレ。
但し、この内容は間違いなく改竄された歴史。
何故ならば、その敬虔王シャルル一世と言う人物は、本来、ガリアの王に成る事の出来ない人物。おそらく、アルビオンの王家の血を引いて居た人物なのでしょう。しかし、ガリア王家の正当なる血筋を引く最後の人間。彼の兄王を弑逆する事に因って王位へと就き、その事に因り、ガリアが本来持って居た大地の精霊との絆を断ち切った事が確実な人物です。
そして、ブリミル教の教えでは、精霊とは敵。正確には精霊魔法を行使する者が敵と成るのですが、精霊魔法とは精霊を友とする事が出来なければ行使は不可能。
まして、ブリミルが伝えたとされている系統魔法と精霊の相性は最悪。この魔法を伝えたとされるブリミル教を信奉する国王が、精霊と契約を交わす事が出来るとは思えない以上……。
この敬虔王シャルル一世と言う人物が、ブリミル教をガリアの国教と定め、それ以前の国の歴史を書き換えた人物と考えるのが妥当ですか。
ただ、そうだとすると……。
【春に行ったフェニックスの再生の儀式。あれを、ガリア王家が取り仕切るように成った元を創ったのは誰や?】
いや、それ以外でも、ラグドリアン湖の奥深くに封じられたミーミルの井戸は。
そして、ヴァリャーグと呼ばれている星からやって来た邪神どもを火竜山脈に封じて、其処を翼人の先祖たちに守らせたのは一体……。
そう。俺は、つい先ほどまで、これらの仕事を行ったのは、漠然と始祖ブリミルと呼ばれる民族的英雄が行って来たのだと思って来ました。
しかし……。
妖精女王ティターニア、そして、ミーミルの井戸の管理を行って居た湖の乙女のふたりとも、始祖ブリミルなど知らないと言い切った。
まして、系統魔法を人類に伝えた存在だと語り継がれるブリミルが、精霊王で有るこの二柱と契約を結べる訳が有りません。
確かに、何らかの存在に支配されていた人類を解放する為の戦力として、俺が行使する仙術と比べると間口が広い系統魔法は必要だった可能性が高いけど、逆の見方をすると、系統魔法を行使すると言う事は、精霊に対しては裏切り行為に当たるはず。
それならば、一体誰が。
そう考えて、自らの右側に立つタバサ。そして、彼女の正面に立つジョルジュ。俺の正面に立つオスマン前トリステイン魔法学院学院長から、リュティス魔法学院のノートルダム学院長の姿を順番に映して行く。
そして、其処から、ガリアの貴族。その向こう側に生活して居るガリアの民たちを脳裏に浮かべて見る俺。
…
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